人気ブログランキング |
ブログトップ

毎日更新♬ エノテカビアンキのブログ

bianchim.exblog.jp

イタリアワイン

カテゴリ:セミナーレポート!( 17 )


d0212522_22441051.jpg
 ジョルジョ・リヴェッティに会ってきた。
 相変わらずの元気なイタリアーノだ。
 そんな彼と
、彼が所有する<コントラット>のアルタランガと、
 <ラ・スピネッタ>のバルバレスコについて、じっくりと飲みながら話した。

<コントラット>
 1867年創業の歴史あるスプマンテメーカー。
 2011年からジョルジョの所有となった。
 ジョルジョは無類のシャンパーニュ好きで、(コントラットを)購入しないか?という打診があった時、
 イタリアでシャンパーニュが造れるなら買いたい!
 こう考え、コントラットに視察へ出掛けた。
 所有するのはアルタランガの標高700~800メートルの畑。
 昼夜の寒暖差が10℃と非常に大きく、ここでのブドウの収穫は9月の2週目に行われる。
 これはシャンパーニュと同じ収穫のタイミングで、コントラットを購入する大きな理由のひとつとなった。
 スプマンテのブドウはたいてい、完熟よりも少し早めに収穫する。
 普通の造り手は早く収穫したブドウを強めにプレスしてジュースを搾る。
 これだと搾られた液体が攻撃的な味わいになる。
 コントラットはプレスせず、ブドウの自重のみで短時間でジュースを搾る。
 結果、ブドウは全体の30%しか搾られないため、
① 高地由来の美しい酸。
② ソフトプレスによるリッチな果実味。
③ 短時間のプレスによるフレッシュさ。
 を兼ね備えたジュースとなるのだ。

 もうひとつの大きな理由は、コントラットが所有する地下セラー<カテドラル>の存在。
 地下32メートルの深さに大理石をくり抜いて作られた広大なセラーで、
 年間を通して12~13℃、そして適度な湿度に保たれた空間は、メトド・クラッシコの熟成に最適であるのは、言うまでもない。

<伝統をリスペクトすること。>
 ワインに限ったことではないが、
 ひとつのものを極めたいと願うなら、最も歴史のある産地に学ぶべき。
 シャルドネやピノノワールは世界のどの地よりも、フランスでの歴史が永い。
 だからシャンパーニュを倣う。
 ジョルジョがイタリアでシャンパーニュを造ると決めたのはこの理由による。

「例えば料理。
 ひとつのことを極めずに独自のやり方を進めてしまっては、どこの料理かわからなくなるだろ?
 それと同じさ。」

 これに似た言葉を、僕は著名な歌舞伎役者から聞いたことがある。
「よく<型破り>という言葉を耳にするが、<型>を破るには型が必要で、それを破って独自のものを想像するのが<型破り>。
 だが、型を習得していない人がそんなことしても意味がない。
 それは<型破り>ではない。<型なし>だ。」と。

 またジョルジョは自らを<農民>と言っていた。
 そして彼は父親から、「ブドウは友達」と教えられてきた。
「友達にはドラッグ(農薬)を与えたりしないだろ?
 グリーンハーヴェストの意味だって、<房を切るのは忍びない>のではなく、
 重い体を<軽くしてあげる>ことが大事だから。
 長く走るには軽いにこしたことはないからね。」

 ワインの話よりも哲学に重きを置いた座談会になった。
 彼との距離がより近づいたような気がする。
 ありがとうジョルジョ!

 あ、本拠バルバレスコの話はまたいつかね。

業務用イタリアワインなら! エノテカビアンキッ!!アツい人と話すと元気が出るね♫ ~


by enotecabianchi | 2019-11-22 22:45 | セミナーレポート! | Comments(0)

 5月31日。
 ホフスタッターの4代目当主、マーティン・フォラドーリ・ホフスタッターと一日ご一緒した。
 とりわけ、ブドウ品種についての説明が面白かったので、そのあたりを中心にレポートしてみる。

 アルト・アディジェは山のワインだが、地中海性気候だけに海の影響も受ける。
 これは、後日一緒に食事した別の造り手も、同じことを話していた。
 その特殊な場所で、少ない品種を栽培して多くの種類のワインを造る。
 ホフスタッターにとって最も重要なブドウは、白は<ゲヴュルツトラミネール>、赤が<ピノネロ>だ。
 
 ゲヴュルツトラミネールはドイツ品種と思われがちだが、<トラミネール>の名が示す通り、
ホフスタッターの村、トラミンが原産。重要であるのは当然で、最高品質を誇るのも、当然なのだ。
 甘いと思われることが多いが、あくまで辛口。
 酸が少ない品種だから甘く感じるが、標高が高いために酸が出やすい。
 ホフスタッターではタイプの異なる2種類を造る。

 ピノネロに関しては言うまでもないほど、アルト・アディジェの中でもホフスタッターは最高のものを造る。
 とりわけ<バーテナウ>を名乗るピノネロは、世界の同品種に比肩しうる、イタリアを代表するピノネロ。
 <バーテナウ>とは、アルト・アディジェにピノネロを持ち込んだ最初の人物の名で、160年も昔にこの地に植えられた。
 アルト・アディジェのピノネロのルーツ、ともいうべき場所。
 ホフスタッターではピノネロから3種のワインを造る。
 複数のエリアの若い樹から収穫され、ステンレス熟成を経たエントリーライン、<メクザン>。
 バーテナウの畑があるエリアの名前、<マゾン>はリゼルヴァ・タイプ。
 ホフスタッターはマゾン・エリアの畑の3分の1を所有する。標高は350~500メートル。
 大樽とバリックでゆっくりと熟成される。
 <バーテナウ>はマゾンの中で最良のクリュ。そしてイタリア最良のピノネロのひとつ。

 これらの次に重要な品種は? と聞くと、白は<ピノビアンコ>、赤は<ラグライン>と返ってきた。

 ピノビアンコは伝統的な品種ではないが、昔から造っている品種。
 だが一時期、インパクトのあるキャラクターのシャルドネ、ミネラルが際立つピノグリージョ、
 この2品種に押されてしまい、それらの品種よりも下に見られていたことがあった。
 このふたつと比べるとピノビアンコのキャラクターは、「おしとやか」。
 そう、まるでオードリー・ヘプバーンみたいな、ね(マーティン談)。
 <バーテナウ・サンミケーレ>という名だけあって、これもマゾン・エリアの中にある畑。
 3000リットルの大樽で15か月。
 スケールの大きいワインで、ブルゴーニュグラスとの相性は秀逸。
 ディナーでは、


d0212522_23174400.jpg
帆立貝柱のグリル キノコのソテー添え 2色のパプリカソース
 に合わせて頂いたが、その相性はもう悶絶級♫
 ちなみに、あの美しすぎる奥方、ベアトリクスさま一番のお気に入りが、このピノビアンコ。

 ラグライン。
 好きだが、よく戦うブドウ(マーティン談)。
 性格は<山>そのもの。つまり、「激しく、変化しやすい。」
 栽培・醸造によほど気を配らないと、アグレッシヴなタンニンが出てしまい、
 発酵が長くなりすぎると、そこから青っぽさが出てしまう。
 あまりあれこれと触らない方が無難な品種。だから樽熟成も経ず、セメントタンクのみ。
 実験的に、屋根裏部屋で短期間乾燥させたラグラインを全体の5%だけ、ブレンドしている。
 これは、甘みを出すためではなく、尖ったタンニンを柔らげるための方策だが、良い結果が出ているとのこと。

 ディナーの最中、マーティンと色んなことを話した。

 まずは、ヴィンテージのこと。メディアがネガティヴに報道しすぎる。
「2002年が不良年だって!? とんでもない! アルト・アディジェとシチリアは最高の年だったよ!」

 グラス会社のリーデルとはプライベートで仲が良く、ホフスタッターと共同開発したグラスがある。
 <オレゴン・ピノノワール> というもの。
 いつかバーテナウを、このグラスで飲んでみたいものやね。

 そのほか、20年前に大阪で食べた世界一高いハンバーガーのことや、
 以前取引していたインポーターの価格設定に大いなる疑問を抱いたこと。
 ここでは書けないことも、チラホラ。

「アルト・アディジェは優良な協同組合がたくさんある。
 協同組合はオーケストラのようなもの。
 小さな造り手を指揮者が取りまとめて、素晴らしい作品を奏でる。
 ホフスタッターは違う。
 テロワールが第一。最上のワインは、ブレンドして補うのではなく、
 その土地 そのヴィンテージの個性をさらけ出すこと。
 それが大事なんだよ。」

d0212522_23185857.jpg
 Grazie mille! マーティンさん。
 一緒に巡って、最高に楽しい一日でした!
 また大阪に帰ってきなさいよ ♫

業務用イタリアワインなら! エノテカビアンキッ!!マーティンにも、「ナポレターノみたいな運転だな(笑)」って言われたけどね ♫ ~



by enotecabianchi | 2019-06-07 23:19 | セミナーレポート! | Comments(0)

 ホフスタッターのレポートまとめ中。

「ホフスタッターでは ‟マゾン(Mazon)” というピノネロがあるけれど、
 他の造り手の同じピノネロでも、‟マッツォン(Mazzon)” と表記されているものがある。
 これは、同じ畑のもの?」

 という問いに マーティンは、

「マゾンはウチの最も重要な畑、‟バーテナウ” のあるエリアの名前さ。
 そこは最上のピノネロが生まれる場所で、ウチの他に3,4の生産者がマゾンの名でリリースしているよ。」

「表記が違うのはどうして?」

「簡単さ。 ドイツ語かイタリア語かの違い。ハッハッハーッ!
 ウチはドイツ語表記で、‟マゾン” なんだ。」

 そんな楽しい話もチラホラ。
 もっと時間を割かんとアカンのやけれども、
 今から別のアルト・アディジェの造り手とお好み焼き食べに行くさかいに今日はこのへんで。
 明日には、仕上がるかもー。
d0212522_17453327.jpg

業務用イタリアワインなら! エノテカビアンキッ!!この短期間で、どんだけの生産者に会うのでしょうか? まだまだ続くよ~ ♫ ~


by enotecabianchi | 2019-06-06 17:46 | セミナーレポート! | Comments(0)

 醸造コンサルタントとしてのジュセッペ・カヴィオラは、
 彼が受け持つことになった ウマニ・ロンキが、中部イタリアにおける初の快挙、「白ワイン・オブ・ジ・イヤー」を獲得したことで、
 その名声を更に引き上げることとなった。
 最優秀エノロゴに輝いたこともある彼のコンセプトは、
<自分の存在を可能な限り感じさせないエノロゴでありたい>
 というものだから、カルロ・フェッリーニやコタレッラとは対極をなす。
 良し悪しではない。 スタイルの話ね。

 今回は<フレンチ串揚げ> でのランチセミナーという形で話を伺った。
 どのワインにも良く合うお料理の数々には嬉しい驚きがたくさんあったが、
 何より驚いたのは、ジュセッペ氏の食べる早さ!
 お料理が運ばれるやいなや、すぐさま手に取り口へ運ぶ!
 串揚げやから、「熱いで!熱いで!」と周りは全員大阪のオバチャンになってたわ(笑)

 テイスティングは、
1.ランゲ・リースリング 2015
2.ドルチェット・ダルバ ‟バルトゥロット” 2016
3.バルベラ・ダルバ ‟ブリック・ドゥ・ルーヴ” 2014
4.バローロ ‟ソットカステッロ・ディ・ノヴェッロ” 2011


1.ランゲ・リースリング 2016
 1991年創業だが、初の白ワインであるリースリングのファーストヴィンテージは2014年。
「白については長い間考えていたんだ。
 ピエモンテの白ブドウといえば?
 アルネイスはロエーロだし、コルテーゼはガヴィだ。
 それぞれの土地に密接に関係する。
 そうして見つけたのが、標高600メートルのリースリング。」

 アルタランガの個性が如実に表れる、長期熟成の可能性が大いに期待できるリースリングだ。
 味わいはグレープフルーツのようにフレッシュで爽やか。
 品種特有の火打ち石やぺトロール香は控えめだが、極めてバランスの整った味わい。
 ソフトプレス後、スキンコンタクトは行わない。
 果皮ではなく<果肉>にある旨味成分を抽出することで、みずみずしくエレガントな香りそして味わいに仕上がるのだ。

 ラベルは、ジャンニ・ガッロが手掛ける<ひまわり>。
 そう、先日レポートしたグラッパの優秀な造り手、マローロのラベルを手掛けた人だ。
 ここにもピエモンテの人のつながりを見た。
 ついでに聞いてみた。
「グラッパは造らないの?」
 その問いには、
「造らない。」 と一蹴(笑)
「ワイン以外に興味はない。ロレンツォ・マローロにヴィナッチャを売ってるけどね。」

 最高のアッビナメントは、

d0212522_21325040.jpg
<リースリング>と<鰆のカダイフ巻き 蕗の薹ペースト添え>


2.ドルチェット・ダルバ ‟バルトゥロット” 2016
 樹齢70年のドルチェット。
 南向きの畑。 セッラルンガのクリュ、<チェッレッタ> に似た、泥灰土の強い土壌。
 若いワインだが既に落ち着いていて、ドルチェットによくみられる「青さ」 は微塵も感じない。
 エレガントで、極めて飲み心地がスムース。


3.バルベラ・ダルバ ‟ブリック・ドゥ・ルーヴ” 2014
 ドルチェットと同じく樹齢70年。
「バルベラは酸のない品種と言われるが、果実のバランスは収穫のタイミングで整えることができる。」
 彼の言葉通り、確かにこのバルベラには心地良い酸を感じる。柔らかく優しい味わい。


4.バローロ ‟ソットカステッロ・ディ・ノヴェッロ” 2011
 味わいった瞬間、(な、なんてエレガントなバローロや!) って思ったから聞いてみた。
「エレガントの極みともいえるバローロだが、これはノヴェッロという場所の個性?
 あるいは、ジュセッペさんの意図?」
 これには、
「両方。」
 と返ってきた。
「ドルチェットとバルベラを造ってきた歴史の中で、バリックを使ったり色んなことを試した。
 でも、バローロを造ることが決まった時、クラッシコでエレガントに仕上げることしか頭がなかったよ。」
 ソットカステッロ・ディ・ノヴェッロの畑は、石灰を多く含んだ土壌で標高は420~450メートルと非常に高い。
 そして、温暖化で昔とは環境が変わった。
 今はラ・モッラよりも条件が良く、収穫もラ・モッラよりも7~10日遅い。

 力で押すバローロでは全くない。
 極めてエレガントで飲み心地が良く、それでいながらバローロの風格が共存する。
「よく言われる<完熟>というのは、必ずしも良いわけではない。」
 エレガンスを極めるにはいつ収穫するかが大きな鍵であり、偉大なワインには必須の条件だ。

 今回テイスティングした4つのワイン、全てを扱うことに決めて、その場で発注した。
 ずいぶん昔にも仕入れたことがあるが、その時は扱い方を知らないがために敢え無くリストから外れた。
 今は自信を持って勧められる。
 とりわけ、ドルチェット苦手! とか、バルベラ苦手! とかいう人にこそ飲んでもらって、大いに驚いてほしい。
 バローロは言うに及ばないけれど。

 彼が残した重要な言葉で、このレポートを締めるとしよう。

<Grande ma non Grosso> 偉大であること。そこに力は要らない。

 その言葉は、彼が造るワイン全てに共通する。
 そして偉大なワインはやっぱり、偉大な人が創るのですね。

業務用イタリアワインなら! エノテカビアンキッ!!Grande ma non Grosso. 名言やわ! ~


by enotecabianchi | 2019-05-18 21:34 | セミナーレポート! | Comments(0)

 イタリアワインの多様性は今さら言うまでもないが、
 グラッパもまた、ひと言では言い表せないほど、様々な個性が光る。

 ロレンツォ・マローロによる 90分みっちりセミナーで、グラッパの幅広さそして、奥深さを知った。
 かいつまんで、レポートしてみる。
 そやけど、めっちゃ長いので悪しからず。

 ピエモンテのグラッパメーカーとしては新しく、創業は1977年。
 ロレンツォの父パオロが始めた。もともと父は醸造学校の先生で、グラッパ造りは趣味が高じて始めたもの。
 趣味だから当然、コストよりも品質を重視する。
 マローロのコンセプトは、まさにここから始まった。

 戦前、イタリアには1300軒ものグラッパメーカーが存在したそうだ。
 時代が移り現在は、30軒ほどに減った。
 戦後の、パンすら買えない極貧が長く続いてはグラッパどころではない。
 そして、ワインもグラッパも、安ければ何でもよかった。
 そんな中、父はグラッパメーカーを志した。
 当時、レストランを経営していた祖父母からすれば、息子は気が狂った! と思うのも当然、そんな時代背景だったのだ。
 安いグラッパが横行している中、フリウリで単一ブドウのグラッパを醸す造り手が現れた。
 ノニーノだ。
 ノニーノは単一ブドウのグラッパを造った最初のメーカーで、同じ頃、
「マローロという造り手が上質な単一ブドウのグラッパを、アルバで造り始めた。」
 と、評論家のルイジ・ヴェロネッリが紹介している。

 ロレンツォの父パオロは、
 グラッパは、コニャックやウィスキーとはタイプが異なる。
 ポイントとなる <香り> を注意深く抽出することが求められる点で共通する、<オードヴィ> に学ぼうと考えた。
 そこで導入したのが、そのオードヴィを造るマシン、<ベンマリー>だ。
 通常、グラッパは1時間で150リットル以上の抽出が可能なのに対し、
 ベンマリーでは1時間でたったの10リットル!
 いかに時間をかけてゆっくり抽出しているかが解る対比だが、
 その時代にこのような選択をするのはバカげていると言われるのが常だったそうな。
 マローロが最も注視しているのは <香り> だが、ブドウの豊潤な香りを100%引き出すのは困難を極める。
 ベンマリーの、極度に緩やかな抽出が、それを可能にする。

 そしてロレンツォは言う。
「透明のグラッパを飲めば、それがどのように蒸留されたかがよく解るよ。
 色のついたグラッパは、いわばドレスアップ。
 対して透明は、‟真っ裸” みたいなものだからね。」

 彼はまた、グラッパをエスプレッソに喩えた。
「上質なエスプレッソを作るのに必要なものは何だい?
 原料、マシン、そして人だよ。 グラッパも同じさ。
 グラッパにおいて原料は第一に、フレッシュかつ上質であること。
 上質なワインを造る人からヴィナッチャを仕入れる。
 ワインの収穫に合わせて醸すから、9月に始まって11月には醸し終わっている。
 必然的にマローロのグラッパは全て、単一ブドウそして、単一ヴィンテージとなる。
 上質な原料を、上質なマシンでもって、趣味から始めた品質第一の人が醸す、ってことだね。」

~ テイスティング ~

グラッパ・ディ・モスカート
 アロマティック・グラッパの代表格。
 洋ナシ、ニワトコ、セージのニュアンス。
 フレッシュで甘く、上品な香味。
 そしてロレンツォは、
「フルーツサラダにアクセントとして少し加えたら面白いよ。」
 とグラッパの新しい使い方をも提案してくれた。

グラッパ・ディ・ネッビオーロ
 ノン・アロマティック・グラッパ。
 250リットルの樽で短期間の熟成。これは、ネッビオーロの強い酒質に柔らかさを与えるためのもの。
 カフェ・コレットに最適! とロレンツォ。

グラッパ・ディ・モスカート ‟アプレス”
 ピエモンテとシチリアの融合。
 シチリアの優良な造り手、ドンナフガータとは昔からの友人で、彼らのパッシート・ディ・パンテッレーリアを熟成させた樽を使って、5年熟成。
 ナッツ、ヴァニラのニュアンス。
 思わず目を閉じて香りに酔ってしまいたくなるほど、甘く危険な香り。
「フォワグラ、そしてボクたちが作るパネットーネとの相性は最高さ!」
 ラベルは一見、ブルーベリーのような果実がモチーフになっているのかなと思いきや、
 モスカートが乾燥によって小さく甘く凝縮し、フレッシュなモスカートよりも蜂がたくさん集まっている様を描いている。

グラッパ・ディ・バローロ ‟12年”
 80%をマルサーラの樽、20%をピエモンテの白ワインに使った樽。
 その白ワインの樽とはなんと!
 マルヴィラのレネージオの熟成に使われたトンノーと、アルド・コンテルノのブッシアドールに使われたバリックを使用。

グラッパ・ディ・バローロ ‶20年”
 マルサーラの樽で12年。アカシアの新樽で8年熟成。
「エイジド・グラッパは ‶エンターテイメント”。
 よく、そういった飲みものを<メディテーション(瞑想用)スピリッツ> なんて呼んでるけど、
 瞑想でボクのグラッパの味わいをすっかり忘れたりしないでくれよ!(笑)」

 アルコール度数は50%とかなり高いが、とてもそうは感じないソフトでエレガントな味わい。

「父はいつも言っていたよ。
 <人は歳をとったら必ずしも賢くなるとは限らない。>ってね。
 グラッパも同じだよ。
 <20年> は <12年> の上、ではない。
 好みもあるし、何よりシチュエーションが大事だ。
 その場その時に最適な年数をセレクトしてほしい。」

 グラッパ・ディ・バローロは全部で4種類。
 9年、12年、15年、20年。
 ラベルは全て、バラの木にカワセミがとまっている構図だ。
 同じように見えるラベルだが、それらは全て異なる。
 それぞれの味わいをバラの状態、<蕾、花、果実> によって巧みに表現している。
 こういった細かいディテールにこだわるあたり、
 イタリアの職人が持つセンスが光る。

グラッパ・ディ・バローロ ‶ブッシア2004”
 2001年がファーストヴィンテージでこれが2ヴィンテージ目(2002年、2003年は造っていない)。
 熟成はアカシアの古樽のみ。
 15年と20年に使われた樽を使用する。
 バローロ・ブッシア、とりわけ アルド・コンテルノやオッデーロなど優良な造り手のヴィナッチャ。
 2004年は3,320本のリリース。
 エンターテイメントの極み。

 ヴァニラ、チョコレート、ココア、
 シナモン、黒コショウ、リコリス、
 タール、スモーキー etc.

 これらはロレンツォが口にした、グラッパ・ディ・バローロの表現だ。
 ブッシアはそこに、

 バルサミコ、アニス、ミント、
 そして、ブッシア。

 バローロ・ブッシアを飲んだことのある人ならば、その味わいをこのグラッパから、採ることができる。


ロレンツォ
「完璧な味を求めてはいない。
 はっきり、コレ! という味わいはないが、いろんなものを想起させる液体。
 それがマローロのグラッパさ。」

 モスカートやネッビオーロは、人がイメージしやすいグラッパ。 「上質の」ね。
 グラッパ・ディ・バローロは、そこに留まらない。
 世界の銘酒を飲み慣れている人ですら驚かせる存在感が、このグラッパにはある。
 そして、グラッパの明るく拓けた未来をも、見たような気がした。

d0212522_22163781.jpg
業務用イタリアワインなら! エノテカビアンキッ!!グラッパは、さらなる深みへ。~


by enotecabianchi | 2019-05-09 22:17 | セミナーレポート! | Comments(0)

 お客さんには届いていると思うが、ロッカ・ディ・モンテグロッシ のマルコさんが来日、ヴィンサントのセミナーの模様をレポートした。
 長いけれど、参考になると思うよ。
 読んでみてね ♬

ロッカ・ディ・モンテグロッシ

ヴィンサント・デル・キアンティ・クラッシコ セミナーレポート

有限会社エノテカ・ビアンキ 丸谷 崇

 セミナーには多数参加しているけれど、ヴィンサントだけに特化して話を聞いたのは、今回が初めてではなかろうか。

 322日、東京・青山にて、ロッカ・ディ・モンテグロッシのオーナー、マルコ・リカーゾリ・フィリドルフィ氏本人による「ヴィンサント・デル・キアンティ・クラッシコ」10ヴィンテージの比較テイスティングセミナーが開催された。


「大変なテイスティングになるだろうから、今回は赤ワインも除いてヴィンサントだけにした。」

 マルコの挨拶で、説明が始まった。


 醸造学的に、イタリアだけでなく世界的にみても唯一無二のもの。それがヴィンサント。

 そんなワインが今日まで広く伝わらなかった理由は、市場に多く出回るヴィンサントの、品質の低さにあった。無論現在は、そのイメージは改善されてきてはいるが、まだ過小評価されているのではないか。

 何故、多くのヴィンサントが好ましくない味わいを呈しているのかとマルコは考え、その理由の筆頭に、「クリーンでない醸造環境」を掲げた。

 ヴィンサントに使われるブドウは、特別な部屋で「陰干し」の過程を経るが、通常、収穫したブドウは棚に置いて乾燥させる。その際ブドウの下に敷かれる「ゴザ」がまず、清潔でない。その結果、ブドウに腐敗菌が多く付着し、当たり前だがそれらを搾ったマストは少なからず、濁る。そのような状態で樽に入れられた液体は、67年、忘れられたように放置される。

 このように醸されたヴィンサントはギャンブルのようなもので、10樽仕込んだ内の23樽が良ければ御の字というもの。

 樽を開けた時の大半が落胆で、2割程度という少ない成功に狂喜していた。

 マルコはその不安定な生産性を改善すべく、「クリーンであること」を念頭に、本格的な醸造に取り掛かった。1997年のことだ。


 ロッカ・ディ・モンテグロッシの土地「モンティ・デル・キアンティ」は標高が高く石の多い土壌。ヴィンサントの原料ブドウを造る上で、「フレッシュさ」、「優美」、「ミネラル」を高い次元でバランス良く備えることができる場所である。

 彼が造るヴィンサントのブドウは、マルヴァジア・ビアンカのみ。美しく育てられた半透明のブドウを10月に手摘みで収穫。

 ブドウは「ヴィンサンタイア」と呼ばれるヴィンサントを造るためだけの屋根裏部屋に運ばれ、そこで陰干しされる。通常はブドウを棚に置いて乾燥させるが、マルコはそれを撤廃した。

 その理由は、棚に置くとブドウは自らの重さで果実が潰れてしまい、そこから腐敗菌が繁殖して広がる。また、その部分を目で見てチェックすることができない。

 そこでマルコは、ヴィンサンタイアの天井から可動式のネットを設置し、その網目に一つ一つブドウの房をぶら下げて乾燥させることにした。こうすることで、ブドウを万遍なく乾燥させることができ、ブドウを全方向から見ることが可能となった。腐敗果を取り除くことができるだけでなく、彼のヴィンサントに不可欠な「貴腐菌」の付着をチェックすることができるようになったのである。


 全ての果粒に貴腐菌が付着したのを確認して、収穫から34か月経過したのち、ブドウはプレスされる。乾燥と貴腐菌の影響で果実の70%近くの水分が失われているため、極めて緩やかに、丸一週間かけてプレスされる。

 長い時間をかけてプレスされた果汁は発酵と熟成の過程に移るが、プレスされた直後の果汁は普通、濁っているので、温度管理されたステンレスタンクに移し沈殿した不純物を取り除く。そうして得られたきれいな果汁を、100リットル以下の小さな樽<カラテッロ>に入れる。この時、果汁で樽を充満させるのではなく、指3本分くらいの空間を空け、シリコンの栓で密閉する。スペースをつくることで、発酵を促すのだ。

 やがて暖かくなると樽の中の液体は発酵を始め、寒くなると発酵が止まる。これを34年繰り返す。発酵が始まると樽の中のガス圧が高くなり、時折、樽に亀裂が入って中の液体が染み出たりすることがあるがこの現象を、「樽が泣く」という、何ともロマンティックな表現を使っているが、

「いっぱい泣かれると、今度はボクが泣きたくなるんだけどネ。」とマルコ。

 発酵の期間である4月から10月はだから、週に23回、泣いていないか樽をチェックし、滲み出していたら樽を修復する。

 「放置」ではなく「見守られ」ながら、カラテッロの中で約7年の熟成を経たヴィンサントは、ボトリングされる前にも静置して不純物を取り除く。

 乾燥から発酵・熟成を経てカラテッロを出る頃には、その液体は収穫量の10%以下にまで減っているというから、その濃縮度合いは安易に想像できよう。

 ボトルに移されてから更に2年の熟成を経て市場に出荷。

 収穫から実に、9年半(!)もの歳月を経てリリースされるということになる。

 エノロゴであるアッティリオ・パーリ氏は、ボトル熟成を更に一年長くすることを勧めている。そうすることでフレッシュさが増しバランスが整う、というのだ。

 そしてマルコは、このセミナーの結果で、どうするかを判断するのだそうだ。


 永い歳月を経てリリースされたヴィンサントは、濃厚の極み。

 しかし、ただ濃くて甘いだけではない。

 濃縮した果汁による甘さに加え、美しく伸びやかな酸と、極めて複雑な味わいを呈する。

 香味に濁りがなくクリーンだから、たとえ複雑な味わいであっても、容易に特徴を捉えやすい。

またマルコは、「<揮発酸>をヴィンサントの特徴と考えている人がいるが、あの香りは特徴ではなくて欠点だ。」と言った。その言葉通り彼のヴィンサントには、セメダインなどに代表される香味は感じられなかった。


 今回、マルコのヴィンサントを以下の10ヴィンテージ、テイスティングした。

1995199719982000200120022004200520062007

d0212522_18340517.jpg

「ヴィンサントの醸造は試行錯誤の繰り返し。

 伝統を保持しつつ、良くないと思うことは改善する。ネットを使ってブドウを吊る方法は、2000年のヴィンテージから始められたことだし、一時マルヴァジア・ビアンカにほんの少しカナイオーロ・ネロをブレンドしたこともあったが今はそれもやめて、現在のスタイルが最良と判断した。

 今気になっているのは、エノロゴのアッティリオが勧める<ボトル熟成を長くする>かどうか。それを今、決めようと思う。参加者の皆さんの意見を聞きたい。10のヴィンサントの中で2つ、良かったものを選んで、教えてほしい。」

 と彼は言った。

 実際に比較すると、ヴィンテージによる差は外観からも捉えることができるほど異なるものもあった。

 2000年と2001年を比較しても、2001年はアルコールを感じる香り、酸度が強いがアフターに甘みが残る。対して2000年は、暑いヴィンテージを反映してか、ハーブ系のアマーロを想わせる香り、複雑性そして、苦み。

 といった具合。

 僕が気に入ったヴィンテージは、2000年と2005年だった。

 そして意外なほど、この2ヴィンテージを好む参加者が多いように感じた。

 この結果を聞いてマルコは、

「アッティリオのアドバイスが正しいことが判ったよ。実は2005年ヴィンテージ。これは他と異なり陰干しがゆっくり、そして貴腐菌の付着もゆっくり進んだ年だった。できあがったヴィンサントを飲むとボクは納得できなかったんだけれどアッティリオは、『熟成させれば大丈夫。』と言ったんだ。そして実際、あなたたちはそのヴィンテージを好きだと言った。彼はすごいよ!だから彼のアドバイス通り、ボトル熟成を1年長くすることを、今決めたよ。」


 少し前、このヴィンサントを抜栓して一年経過したものを飲んでみたが、びっくりするほど味わいに変化がなく、しかも美味しく飲めた。このことを話した全ての人は驚いたが、今回通訳して下さった宮嶋さんは違った。


「もともと酸化しまくったワインだからね(笑)

 変わろうにも変わりようがないんですよ。」


 僕は上質なデザートワインを常備したレストランが大好きだ。

 これがあるのとないのとでは、お店を出た時の満足度に差が出る。

 僕が言うと「営業トーク」と思われても仕方がないが、それでも敢えて言おう。

抜栓して一年も品質が変わらないものなら、上客への対応力を高く評価され店舗の売上にも貢献する。そうでありながら、損することがないという稀有なワイン。

それがマルコのヴィンサントだ。


「ワインは食事と共にあるもの。でもヴィンサントは例外。

 ひとたびこれを飲めば、世の中のセカセカした時間を忘れさせてくれる。

 そういうヴィンサントをこれからも、造り続けたい。」


 念願のヴィンサントだけのセミナーを終えたマルコはそう言って、満面の笑みを浮かべた。


業務用イタリアワインなら! エノテカビアンキッ!! 造り手の努力の結晶は、より多くの人に知ってもらいたいやん? ~


by enotecabianchi | 2018-04-09 18:43 | セミナーレポート! | Comments(0)
d0212522_17461505.jpg
 東京出張の本丸、テイスティング ♬
 しかも、ヴィンサント・デル・キアンティ・クラッシコ の垂直だ。
 な、なんと! 10ヴィンテージ!!

 ロッカ・ディ・モンテグロッシ の当主、マルコ・リカーゾリ氏は、この会をずっと昔から考えていたそうだ。
 それだけ、マルコさんのヴィンサントへの想いが強い。

 飲んだ人には解ってもらえると思うが、これほどまでに 「フレッシュさ」 を纏っていながら、
 上質のヴィンサントだけが持つ 「複雑性」 と 「甘美な妖艶」 を備えたヴィンサントを、他に見つけることができない。
 
 何故そうなのかを、じっくり伺った。
 なのでそれ以上にじっくりと構成を考えて書かないと、伝わらない。

 またレポートするよー ♬

業務用イタリアワインなら! エノテカビアンキッ!! 今まとめてるねん ♬ ~


by enotecabianchi | 2018-03-26 18:24 | セミナーレポート! | Comments(0)

 ジャンフランコ・アレッサンドリアさんが来日した。
 あまり知られていないかもしれない。 かく言う僕も昨日、初めてテイスティングした。
 知らない人のために、 ↓

d0212522_21334588.jpg
 そう、かの有名な、「リンシエメ」 の造り手のひとり。
 エリオ・アルターレ を中心とした7人の造り手が、同じコンセプトで手掛ける 「リンシエメ」。
 ラベルを見たことのある人も多いだろう。

 世間ではよくそのメンバーのことを、「バローロ・ボーイズ」 と呼ぶが、少なくともジャンフランコさんは、その呼び名を好ましく思っていない。
 時代は移る。 モダンバローロがもてはやされていた時代から、伝統派が注目を集める時代へとシフトしている中、この呼び名がやや皮肉めいていることを、肌で感じ取っているのだろう。

 80年代は、質より量の時代だった。
 ネッビオーロよりもドルチェットやバルベーラの方が高く売れた。
 飲めるまでに時間を要するネッビオーロよりも、すぐにリリースできる品種が重宝されたからだ。
 だからその時代、ブルゴーニュのワインは100ユーロで売っていたが、バローロは 3ユーロ程度。
 何が違うのか疑問を持ち、ブルゴーニュへ旅立ったのが エリオ・アルターレで、彼は持ち帰った情報を、学びの場を設けて造り手たちへ提供した。

収量を減らす。
バリックの導入。
発酵時間の短縮など、ブルゴーニュからは多くを学んだ。

しかしその一方で、ジャコモ・コンテルノ の造る 「モンフォルティーノ」 を飲んで驚嘆した。

「人はよく、伝統派とモダン派が分かれて、紛争でもしているかのように想像するが、全くそんなことはない。
 メディアが大袈裟に報じただけで、それらは日常に溶け込んでいるものだ。
 エリオ・アルターレとバルトロ・マスカレッロ はよく醸造のことで衝突したが、
 それと同じくらい、食事を共にしていたよ。」

 自分たちの歴史と、ランゲの今を、大いに語って頂いた。
 だからワインの味わいに関しては、ほとんど語らなかった。
 そして彼の口からは、いろんな造り手の名前が出た。

 キアラ・ボスキス、ドメニコ・クレリコ、ロベルト・ヴォエルツィオ を仲間と呼び、
 尊敬する造り手はと聞くと、
 バルトロ・マスカレッロ、ジュセッペ・リナルディ、ブルーノ・ジャコーザ、アルド・コンテルノ、カッペッラーノ と止めどなく出てくる。

 最後にこんな質問をした。

「ブルゴーニュからは先に聞いた近代醸造法を多く学ばれたが、
 古典バローロの造り手には、何を学びましたか?」

 その問いに彼は、

「バローロという、文化を学んだ。」

 と答えた。
 僕にはこの言葉が、今回のセミナーの「核」を成しているように思えた。
 彼のまっすぐな想いは、彼が造るワインの味わいに如実に表現される。
 真面目で、優しい味わい。

 3月のDMを、お楽しみに!

業務用イタリアワインなら! エノテカビアンキッ!! ビール6杯飲んだ人のトークとは、とても思えんかったわw ~


by enotecabianchi | 2018-02-20 22:06 | セミナーレポート! | Comments(0)

d0212522_18193937.jpg
テッレ・ネーレ のワインたち

 マルコ・ディ・グラツィア のセミナーに参加した。
 セミナーの冒頭で彼は、
「ワインの <醸造> に関して話すつもりはない。 話したところで何の意味もないからね。」
 と言った。
 エトナの歴史を簡潔に話したあと、テッレ・ネーレの、とりわけ畑に関することと、彼の哲学、そして感性についてのセミナーだった。
 マルコ・ディ・グラツィア のことを知る人なら当然というかもしれないが、セミナーで使ったワイングラスは全て、ブルゴーニュ型。
 おっと、ここでは僕の意見や感想を織り交ぜるよりも、ご本人の言葉をそのまま記した方が伝わると思うので、名言を列記してみる。

「(ボクの造るワインは) 家族のようなもの。 それぞれに異なる性格を持つが、DNAは同じ。
 あるいは、上質で貴重な同じ布地を使って拵えた様々な種類の服のようなもの。 どれも上質だが、元の布地は同じ。」

「エトナは、10月の収穫期に雨が降りやすい。 また、ワイン産地としては唯一、溶岩の危険性がある。
 そして、細分化された段々畑での作業や収穫は、困難を極める。
 だが、いや、だからこそ、ただ一つの個性を纏ったワインが造られるんだ。」

「これだけ狭い地域で、ここまで多様性に富んだキャラクターを出せる産地は、世界で3つだけ。
 その3つとは、<ブルゴーニュ>、<ランゲ>、そして、<エトナ> だ。」

「(ボクの造る) ロザートは、<月> を想起させるもの。 自らは光らず 他の光で輝く存在。
 女性的でロマンティックで、月に喩えたくなるような要素を持つ。」

エトナ・ロッソ について
「シンプルだがエトナの特徴が出た、みずみずしいワイン。
 <泥からきれいな花が生まれる> という言葉があるが、人を恐れさせてきた火山から、この美しいワインが生まれるんだよ。」

サント・スピリト について
「香り高く、女性的なワイン。 性格に一貫性があり明確な個性があるが、それを見せびらかさない。 内に大きな力を秘める。
 美しいドレスを完璧に着こなした女性のような、優美で官能的なワイン。」

サン・ロレンツォ について
「収穫は10月末で最も遅い。 カルデラーラの畑と同じ時期。
 他のどの畑とも全く異なる土壌。
 男性的なワインだが <威厳> ではない。 貴公子的な、若さとエレガントさを持っていて、女性のような要素を持つがあくまで男性的。
 絹のようなタッチ。」

 他にも嬉しい名言があったがこのへんで。


 塩野七生さんが、
「<威厳> は、同性愛であろうと異性愛であろうと、あらゆるセックスにアレルギー反応を起こさせる。」
 と書いていたが、<威厳> と <官能>は、対極にあるのかもしれないね。
 彼の造るエトナに、威厳に満ちたワインはひとつもなかった。
 つまり、どのワインも色気があり 官能的だったということ。
 これは、アンドレア・フランケッティ が造るパッソピッシャーロ のコントラーダ・シリーズ にも通ずるものがあるから、エトナを 天才が造ると、その領域に達するのだろうね。
 最後に、マルコ・ディ・グラツィアのこの名言を。

「力強く声高に叫ぶようなワインよりも 優しいワインを。
 人はだれでも、ゲンコツよりも愛撫をもとめるものだからね。」

 感性に訴えるセミナー。
 大いに楽しませて頂いた。
 グラツィエ! マルコさん!!

業務用イタリアワインなら! エノテカビアンキッ!! また在庫増えるな こりゃ・・・。 ~


by enotecabianchi | 2018-02-03 19:31 | セミナーレポート! | Comments(0)
d0212522_19200910.jpg
 ピエモンテ州、カスティリオーネ・ファッレットのバローロの造り手、カヴァッロット から、
 アルフィオ・カヴァッロット さんが来日、セミナーに参加した。

 もう、テイスティングのバローロが豪華すぎ!
 彼が手掛ける3つのバローロを、ご自身の説明を交えながらのヴァーティカル・テイスティング。

 数値化されたデータを見て、
「この時期に雨が降ったから収穫が20%おちた。」
 とか、
「乾いたヴィンテージで、最初にテイスティングした時の数値は低かったが、熟成によって まるみを帯びたね。」
 なんて聞いていると、まだ若いバローロが熟成によってどのような味わいになるのか を予想するのに、大いに参考になる。
 写真の3本は今、ウチのセラーで寝てるねん。
 ピノネロ・イン・ビアンコ の「ピネール」 はともかくとして、
 バローロはもうちょっと、寝てなさい w

業務用イタリアワインなら! エノテカビアンキッ!! うねうね文字を解読しながら、復習復習 ♬ ~


by enotecabianchi | 2017-12-04 19:30 | セミナーレポート! | Comments(0)