人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ

毎週月曜日更新♬ エノテカビアンキのブログ。

bianchim.exblog.jp

イタリアワイン

ニッポンの、すごいとこ。その3.


今のタイミング(5/24)でこのタイトルだと、
「どこがすごいねん!?禁酒法みたいな愚策打ち出しやがって!」
とか自分でも思うけれども(笑)、
日本人が本来持ち合わせている<美的センス>についてのことやさかいに、心穏やかに読んでねぇ♬

ニッポンの、すごいとこ。その3._d0212522_19193532.jpg

先日買った本。
<日本の色図鑑>

若竹色や柿色といった、すぐに思い浮かべることができる色があると思ったら、
濡羽色(ぬればいろ)や、瓶覗(かめのぞき)といった、
思いを巡らせるのが楽しくなるような名前の色もあったりする。

その中に、<鴇色(ときいろ>というのを見つけた。
鴇。そう、あの絶滅寸前の日本古来の鳥。
昔はカラスや雀と同じようにどこにでもいた鳥だったが、
環境破壊や乱獲の影響で今に至る。
だから当時は<鴇色>というと誰でも、どういう色なのか想像できたそうだ。
今はどうか?
当の鴇と、同じだ。
鴇色は、黄色がかった、桃色のような優しい色あいを呈する。

日本人の持つ豊かでユニークな色彩感覚は、この国の持つはっきりとした、しかし繊細で美しい<四季>があることに由来する。
そしてそれを雅やかな言葉でもって表現できる感受性を、日本人は持っている。
日本って、すごいと思うのです。
そう思うから、鴇が日常に棲んでいた頃の日本の風景を、一度でいいから見てみたい。

そんな風に思いを巡らせて鴇色を眺めていると、この色、どこかで見たことある...。
そう感じてセラーを見回した。すると、
あったあった♬

ニッポンの、すごいとこ。その3._d0212522_19200694.jpg

ローザ・デイ・ヴェンティ 2019 (ゴルギ・トンディ)

こんなに美しい羽色をしていたら、そら悪い輩に乱獲されちゃうわ。人間のエゴは恐ろしい。
さてこの鴇色のロザート。美しいのは色だけではない。

「ゴルギ・トンディのワインはみずみずしさが身上。」
こう話したのは美人オーナー姉妹のアンナマリアだ。
むろんそれは、造られる環境の結果そうなのだが、それを最も体現するロザートを創るなら、ブドウは何を選ぶか?
姉妹は考えた。
ネロダーヴォラももちろんみずみずしいが、その上をゆくブドウがシチリアにはある。
そういったコンセプトから、シチリア東岸のエトナの主要品種ネレッロ・マスカレーゼが、
島の最西端で造られることになった。
造る前から造り手は、この味わいを創造していたんだね。

鴇色を呈した、輝きのある外観。
香りから、みずみずしい。
酸は優しくおだやか。
ふくよかでチャーミングな果実味は、誰にでもにっこり微笑みかける別嬪さんのようだ。
ファンになっちゃうこと請け合い♬

似た色に、「鴇鼠(ときねず)」という色がある。
名の通り鴇色がかった鼠色。淡く美しい色で着物などでは人気のある上品な色味だそうな。
そんな着物を着た艶やかな女性がワインバーとかでさ!
鴇色を呈したロザートなど楽しんでたらよ!
もうそれだけで美しい絵になりますやんかぁ💕
は~、早いこと禁酒法なる愚策中の愚策なくなって、そんな美しい光景を眺めながら飲みたいわぁ♬
もう妄想も飽きてきたさかいに、はよなくなってね愚策!

あ、最後はボクが穏やかやなくなったね...(苦笑)


by enotecabianchi | 2021-05-24 19:20 | ニッポンの、すごいとこ。 | Comments(0)

by enotecabianchi