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イタリアワイン

ニッポンの、すごいとこ。その2


昨日の寒くて強い雨と風は、やがて満開をむかえる桜をより美しく魅せるための、素敵な演出ととらえるとするか。

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桜は、日本を象徴する花だ。
国花にもなっているからこれに異を唱える人はいないだろう。
だからだろうか。この季節になるとなんやウキウキする。
普段行かない近くの公園や桜がきれいと噂の場所へ、咲いてるかも?と足を延ばしたりする。

日本人にとって桜は、<鑑賞する対象>
というだけではない。
満開なのはたった3日か4日、そして風が吹けば潔く散ってゆく桜の花。
その儚さに無上の美しさを見出し、人生を投影する。
桜は、見る人の人生を想い起こさせ、時には涙さえも誘う花なのです。

この、<自然に対する繊細な感受性>、世界的に見て日本人は特に鋭いのだそうだ。
中にいるとわからないものだけど、
儚さに美しさをも見出す感受性。確かにすごいのかもしれないね。
いくつか理由があるだろうけれど、
まず日本にははっきりとした、しかし繊細で美しい四季があるということ。
これが最も大きな恩恵だろうか。
そしてもうひとつ。
日本は自然災害が多い、ということも残念だけれど挙げられる。

大きな災害に遭ったあとに咲く桜は、それまでに見ていたものとは、どこかちがって見える。
26年前、僕もそれを経験した。
10年前の大震災でも多くの人がそれを経験したと思う。
今年の桜を見て、人は何を思うだろうか。

収穫した年号をボトルに記載する<ワイン>は、感受性を刺激する飲みものだ。
良いヴィンテージとなると価格が上がったりするけれど、そういうのには興味はない。
価格に関係なく、持っていたいものはある。
どんなヴィンテージだったかを話すのは無論、大事だ。職業を考えればなおのこと。
しかし、どんなことがあった一年だったかを、近しい人と語らいながら飲む。
そういう時間ってステキだと思うし、
そんな時に飲むお酒で、ワインに勝るものはないのでは?
なんて思ったりするのです。

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レ・ペルゴレ・トルテ 2011 (モンテヴェルティーネ)
バローロ・ラ・ローザ 1995 (フォンタナフレッダ)

このふたつのワインは何度も飲んだことがあるから、味わいはよく理解している。
でもこのふたつのヴィンテージは、よく理解している味わいとは少し、異なる。
そう思う。
桜と、同じやね。

ニッポンの、すごいとこ。
思いが強すぎて長くなってもたなぁ(笑)



by enotecabianchi | 2021-03-22 21:26 | ニッポンの、すごいとこ。 | Comments(0)

by enotecabianchi