犀の謙遜。
ティモラッソ。
今ピエモンテで、いや、イタリア全土で最も注目されている品種のひとつ。
ロアーニャ、ボルゴーニョなど偉大な造り手もこぞってティモラッソをリリースし、
高値であるにかかわらず世界中で売れているというから、その評判はホンモノだ。
そしてこの造り手も、ついにティモラッソを造りはじめた。

ティモラッソ ‶ピッコロ・デルトーナ“ 2019 (ラ・スピネッタ)
と、
ティモラッソ ‶デルトーナ“ 2017 (ヴィニェーティ・マッサ)
そう。バルバレスコの雄、ラ・スピネッタ。
ティモラッソは銀(金?)の犀(サイ)!カッチョええわぁ♬
右は、ティモラッソを今の名声へと導いた造り手としても良い、ヴァルテル・マッサの作品。
幸運にも、比較することができましてん♬
ラ・スピネッタはこの2019年がファーストヴィンテージ。
みずみずしく、レモンのような果実感。
厳しくシャープなミネラルはティモラッソの真骨頂。
細く長く延びる透明な余韻。
対してマッサは、ミネラルに加えぺトロール香がはっきり。
凛としていながらの凝縮。ヴォリュームとアルコール感。
ほんの少しの熟成感は味わいに複雑みを付与する。
ハチミツのような甘美な香味と落ち着き払った存在感。
良し悪しで語ることができないこの差は一体、なにによるものか?
ヴィンテージの個性?
2年という歳月によるもの?
造り手の経験や力量、あるいは方向性?
恐らくその全てなのだろうが、
スピネッタのオーナー、ジョルジョ・リヴェッティを知る人なら、このラベルを見て微苦笑を禁じ得まい(笑)
むろんこれは僕の想像だけれど、
ジョルジョからすればバルバレスコと同じ大きさの「犀」をラベルにあしらっているから、
それはつまり、<自信の表れ>と取ることができる。
が、ワインの名前を「ピッコロ・デルトーナ(ちっちゃいデルトーナ)」としたのは、彼には珍しい<謙遜>という感情の表れだろうか。
あるいは、マッサをはじめとする偉大なデルトーナの造り手への<オマージュ>とも解釈できる。
いずれにせよ、その味わいには将来を期待せずにはいられないポテンシャルを感じたし、
このワインはやがて<ピッコロ>から<グランデ>へと変貌を遂げるのだという、
ジョルジョの意気込みをも感じさせるティモラッソなのですよ。
入荷が楽しみね♬
あ、ここまで書いといてなんですが、入荷は来年の2月頃ですよ(苦笑)
それまでは、マッサ、クラウディオ・マリオット、イ・カルピニそしてロアーニャのティモラッソを、楽しもうじゃないか♬