時には昔の話を。カパルツォ編。
ハーフボトルはなんのためにあるかって?
フルボトルを飲んだあとのあの、「もうちょっと飲みたい」感覚。
そこに注入するためにあるのよね。
大事に取りすぎていたからもうかなりピーク過ぎてるんやろなぁ...、
なんて思って飲んでみたら、なんのなんの!
若くはないがしなやかな曲線を描く美しいブルネッロに昇華していた。
小塚シェフが手掛ける素晴らしいお料理を、造り手の熱い話と共に噛みしめたっけ。
創業したばかりのウチをディナーにお誘い頂いたから、
貪欲なまでに吸収しようと質問攻めしたのは、今思うと若気の至りやったかなぁ。
熱く語ったその翌日。
ボルゴ・スコペートというキアンティ・クラッシコの造り手を輸入するインポーターから連絡が入って、
「テヌータ・カパルツォのオーナーとどんなお話をされたんですか??」
って聞かれた。
ボルゴ・スコペートはテヌータ・カパルツォが運営するキアンティ・クラッシコの造り手。
あのディナーのあとすぐさま、カパルツォのオーナーはボルゴ・スコペートの責任者に連絡して、
エノテカビアンキと取引するよう指示をしたのだとか。
こんな話を書いたら自慢に聞こえるかもしれない。
でもこのエピソードは、黎明期のエノテカビアンキにとってかけがえのない自信につながったし、
熱心に、時にはうるさく思われるほどに熱心に質問するスタイルは、今も変わらない。
これからもそうありたいなぁと願いながら、酔い夜は更けてゆくのでした。