ジョルジョ・リヴェッティ。
相変わらずの元気なイタリアーノだ。
そんな彼と、彼が所有する<コントラット>のアルタランガと、
<コントラット>
1867年創業の歴史あるスプマンテメーカー。
2011年からジョルジョの所有となった。
ジョルジョは無類のシャンパーニュ好きで、(コントラットを)購入しないか?という打診があった時、
イタリアでシャンパーニュが造れるなら買いたい!
こう考え、コントラットに視察へ出掛けた。
所有するのはアルタランガの標高700~800メートルの畑。
昼夜の寒暖差が10℃と非常に大きく、ここでのブドウの収穫は9月の2週目に行われる。
これはシャンパーニュと同じ収穫のタイミングで、コントラットを購入する大きな理由のひとつとなった。
スプマンテのブドウはたいてい、完熟よりも少し早めに収穫する。
普通の造り手は早く収穫したブドウを強めにプレスしてジュースを搾る。
これだと搾られた液体が攻撃的な味わいになる。
コントラットはプレスせず、ブドウの自重のみで短時間でジュースを搾る。
結果、ブドウは全体の30%しか搾られないため、
① 高地由来の美しい酸。
② ソフトプレスによるリッチな果実味。
③ 短時間のプレスによるフレッシュさ。
を兼ね備えたジュースとなるのだ。
もうひとつの大きな理由は、コントラットが所有する地下セラー<カテドラル>の存在。
地下32メートルの深さに大理石をくり抜いて作られた広大なセラーで、
年間を通して12~13℃、そして適度な湿度に保たれた空間は、メトド・クラッシコの熟成に最適であるのは、言うまでもない。
<伝統をリスペクトすること。>
ワインに限ったことではないが、
ひとつのものを極めたいと願うなら、最も歴史のある産地に学ぶべき。
シャルドネやピノノワールは世界のどの地よりも、フランスでの歴史が永い。
だからシャンパーニュを倣う。
ジョルジョがイタリアでシャンパーニュを造ると決めたのはこの理由による。
「例えば料理。
ひとつのことを極めずに独自のやり方を進めてしまっては、どこの料理かわからなくなるだろ?
それと同じさ。」
これに似た言葉を、僕は著名な歌舞伎役者から聞いたことがある。
「よく<型破り>という言葉を耳にするが、<型>を破るには型が必要で、それを破って独自のものを想像するのが<型破り>。
だが、型を習得していない人がそんなことしても意味がない。
それは<型破り>ではない。<型なし>だ。」と。
またジョルジョは自らを<農民>と言っていた。
そして彼は父親から、「ブドウは友達」と教えられてきた。
「友達にはドラッグ(農薬)を与えたりしないだろ?
グリーンハーヴェストの意味だって、<房を切るのは忍びない>のではなく、
重い体を<軽くしてあげる>ことが大事だから。
長く走るには軽いにこしたことはないからね。」
ワインの話よりも哲学に重きを置いた座談会になった。
彼との距離がより近づいたような気がする。
ありがとうジョルジョ!
あ、本拠バルバレスコの話はまたいつかね。
~ 業務用イタリアワインなら! エノテカビアンキッ!!アツい人と話すと元気が出るね♫ ~