マルケージ・ディ・グレジィ。
なかなか面白いことになってるけれども、アウトプットが追いつかへん・・・。
せやから順番に、いってみよ!
9月13日(金)、マルケージ・ディ・グレジィからアレッサンドロが来日。
瓦屋町のイル・チェントリーノさんで食事を共にした。
バルバレスコの有力な造り手として名を馳せるが、実際にじっくりと飲んだことはなかった。
もとより、造り手と直接会って話せる機会があろうとは、思ってもみなかった。
バローロやバルバレスコは、ブルゴーニュのような<クリュ>の概念がある。
バローロなら<ブッシア>や<ヴィッレーロ>。
バルバレスコなら<アジリ>や<ラバヤ>などがその代表格だ。
このクリュ、単独所有(モノポール)というのは普通ありえない。
ほとんどが、小さな畑をさらに複数の造り手が分け合って所有している。
ほんの一部を除いて。
マルケージ・ディ・グレジィは、<マルティネンガ>というクリュを単独所有する、バルバレスコでは唯一の造り手。
文字にすれば大したことないように思われがちだが、これは凄いことなのですよ。
バローロのモノポールの代表は、カヴァッロットの<ブリッコ・ボスキス>だろうか。
この2者には共通するものがある。
歴史の長さだ。
とりわけマルケージ・ディ・グレジィは、12世紀にまで遡ることができるマルケージ(侯爵)である。
ワイン生産者としては1973年、土地のポテンシャルに気づいた当主アルベルト・ディ・グレジィが興したのがその始まり。
アルベルトは、アンジェロ・ガヤやジャコモ・ボローニャと仲が良く、
アンジェロとはシャルドネが大流行していた当時、
アルベルト「シャルドネの次にくる白ブドウは何だろう?ボクはソーヴィニョンだと思うんだ。」
アンジェロ「いや、ボクはリースリングだと思う。」
そんな会話のあと別れて、翌日アンジェロは、
「ひと晩考えた末、ボクもソーヴィニョンを創るよ。」
そんな話し合いの結果、市場でバッティングしないようアンジェロは樽熟成のソーヴィニョン、
アルベルトはステンレスでの熟成を経たソーヴィニョンを創りだした。
なんとも微笑ましいエピソードやね。
ジャコモ・ボローニャからは、
「キミのワインはダメだ。
美味しくて、飲み過ぎてしまうじゃないか!」
なんて言われてこともあるそうで、今もなお家族ぐるみの付き合いがあるそうだ。
アンジェロとの対話の末に生まれたステンレス熟成のソーヴィニョンは、鮮烈な果実味としっかりとした酸を備えたワイン。
自身の名<グレジィ>を冠したシャルドネは、新樽率50%ながら酸とミネラルを感じるスケールの大きなシャルドネ。
そしてやはり忘れてならないのが、ネッビオーロ。
単独所有のクリュからは、<マルティネンガ>の名のランゲ・ネッビオーロと、バルバレスコが造られる。
このランゲ・ネッビオーロ、かなり美味い。
畑を名乗っているから、バルバレスコと同じ場所からのネッビオーロが使われる。
つまり、バルバレスコをも名乗ることができるネッビオーロなのだ。
しかしながらバルバレスコの品質保持のため、畑の下部のネッビオーロを使い、ステンレスでの熟成を経る。
非常に明るい色あい。ピンク色を帯びる。
スミレやバラの香り。ブドウそのままのフルーツ感。
軽めのタンニンがまた飲みたいと思わせる。
そして、<バルバレスコ・マルティネンガ>。
ランゲ・ネッビオーロにみられるピンク色は呈していないが、共通する明るさがある。
落ち着きはらった香味。緻密なタンニン。
スケールは大きいが優しい味わいなので、やはり飲みすすむ。
ジャコモ・ボローニャの言葉を思い出して、苦笑。
マルティネンガと最高のアッビナメント!↓

相性は、言うまでもないよね。

マルケージ・ディ・グレジィは50%が国内と、その比率は高い。
そしてそのうちの何と20%までもが、カンティーナでの「直接販売」というから、地元で愛される造り手なのですね。
大いに勉強になった昼食。
10月からの取り扱い、決定でございまーす♫
今週末には入荷するけどね♫