アレッシオ・イナマ。
造り手と、食事~ッ!
あ、先言うとくけど、今日は一段と長いでw

ヴェネト州 ソアヴェ・クラッシコの造り手、「イナマ」 より、
ヤンチャなイケメン、アレッシオ30歳。
彼が手にしているのは、イナマ最上の赤ワイン 「オラトリオ」 と、
僕がプレゼントした味噌汁w
「ミスター・ビアンキは、ボクたちのワインのことをよく知っているから、
今日は家族のことと新しいワイン、そして始まった新しいプロジェクトについて話すよ。」
いっぺん僕に叱られた経験のあるアレッシオ(そのブログは コチラ!)は、
マジメに、そう、美女に対する態度とは真逆でもって、マジメに話し始めた。
現オーナーでパパのステーファノには、3人の息子がいる。
長男マッテーオと アレッシオ、そして末っ子のルカだ。
昨年、マッテーオに男の子が生まれた。 名をピエートロ・イナマという。
「イナマの4代目跡取りが生まれたんだよ! だからボクはもうちょっと遊ぶよ♫
日本の彼女ほしーなー。」
とか言ったか言わなかったかw
そんな軽やかなトークを交えながら、新しいワインについても話してくれた。

と、
ピニャータさんのアマトリチャーナ
この2016年がファーストヴィンテージとなるワイン。
彼らが持つ畑 「フォスカリーノ」 から北に位置するカルボナーレ。
南及び南東向きのフォスカリーノに対し、カルボナーレは東向き。
フォスカリーノは日照条件が非常に良く、結果、ふくよかな果実が生まれるため、
樽での熟成が理想的。
対してカルボナーレは、フォスカリーノに比べれば日照時間が少ないため、
<果実味>よりも<シャープな酸>を備えたブドウに仕上がる。
そのシャープな酸をそのまま活かすため、ステンレスでの熟成を経る。
そんなカルボナーレ。
父から譲り受けた3兄弟の時代の到来を象徴するワインとして、彼らは位置付けた。
ラベルには3つの手が描かれている。 そう、
<3兄弟の手によるソアヴェクラッシコ>を表しているのだ。
このアイデアはアレッシオが考案したそうだ。
やるやんアレッシオ。
2016年。
イナマは非常に良い収穫を迎えることができ、
とりわけ最上クラスのソアヴェクラッシコ ‟ロト”、カルメネーレ ‟オラトリオ”は、
近年稀にみるグレートヴィンテージとなった。
では、2017年はどうか?
そこまで良い年ではなかった。
しかし造り手とは常に、昨年よりも良いワインを造りたいと考えるものだ。
アレッシオの言う 「新しいプロジェクト」 は、今から5年前から動き始めていた。
<前のヴィンテージを超える>
これを実現するには、どうすべきか。
ここに端を発し、既に行っていたことを更に細分化し、実行した。
畑には、昆虫をはじめとした動植物との共存をさらに強め、
畝ごとに土壌のサンプルを取って研究。
アグローノモに有力な人材を置き、一本一本の樹を入念に見つめ、病気がちな樹を回復させた。
赤ワインの産地、コッリ・ベーリチでは、ボルドーのコンサルタント、ステファン・ドゥルモンクールを迎え、
カルメネールの経験値を高めた。
つまり、畑での仕事を大幅に増やしたのだ。
そうして5年が経った2018年、ようやく機が熟した。
プロジェクトは2つに大別できるが、そのどちらも先述の<畑の仕事>に直結する。
ひとつは、既存ワインのレベル向上。
5年前から始めていたアクションがようやく実を結び、今より更に質の高いワインを造ることができた。
畑での仕事を増やし、最良のブドウを厳選することで、前述のグレートヴィンテージ2016年をも凌駕するワインを造ることができる基盤を作ったのだ。
そしてもうひとつのプロジェクトは、
<スーパー> とも呼ぶべき ソアヴェクラッシコとカルメネーレを創ること。
リリースはまだ先になるが、現在のソアヴェクラッシコの最上<ロト> よりも上だから、
小売価格¥6,000を確実に超えるソアヴェクラッシコが生まれることになる。
ここまでの高みを見据えているソアヴェの造り手を、僕は他に知らない。
「最高のものを創ることで、その下に位置するワインにもスポットを当てる。」
奇しくも ソアヴェクラッシコは今、改めて注目を集めているワインだから、これからが好機だ。」
とアレッシオは言う。
世界を飛び回っている彼は、高騰し続けるブルゴーニュの白ワインから フォスカリーノにシフトする店をたくさん知っているという。
価格的に上のブルゴーニュの白とフォスカリーノとをブラインドで飲み比べ、
フォスカリーノを選ぶ人が増えているというから、そのポテンシャルはホンモノだ。
最後にこんな質問をした。
「イナマのワインは押しなべてアルコール度数が高くない(12%~13%くらい)けれど、
それは意識してのこと?」
その問いにアレッシオは、
「もちろん! アルコール度数は <存在感> と <飲み心地> に直結する。
つまり、高くなれば存在感が増すが、飲み心地は悪くなる。
逆もまた然りだが、イナマは飲み心地と存在感を両立させるように意識しているんだ。」
なるほど確かに、イナマのどのワインにも存在感がある。
そして極上の飲み心地だ。
常に先を見ている造り手は、スケールが大きい。
それはワインの味わいに確実に反映される。
「こないだウチの在庫使って営業に持って回ったんやけどその分 補てん・・・?」
なんて チンマイ話は、即座に引っ込めましてんw
ありがとう!アレッシオ。
会うたびにオトナになるあなたを見ていると、オジサンも負けてられないと刺激になるよ。
また一緒に、大阪を巡ろう。
~ 業務用イタリアワインなら! エノテカビアンキッ!!あー今頃アレッシオは、夜の街に消えてしまったんやろなー ♫ ~