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毎週月曜日更新♬ エノテカビアンキのブログ。

bianchim.exblog.jp

イタリアワイン

アレッシオ・イナマ。


 造り手と、食事~ッ!
 あ、先言うとくけど、今日は一段と長いでw

アレッシオ・イナマ。_d0212522_22230649.jpg

 ヴェネト州 ソアヴェ・クラッシコの造り手、「イナマ」 より、
 ヤンチャなイケメン、アレッシオ30歳。
 彼が手にしているのは、イナマ最上の赤ワイン 「オラトリオ」 と、
 僕がプレゼントした味噌汁w

「ミスター・ビアンキは、ボクたちのワインのことをよく知っているから、
 今日は家族のことと新しいワイン、そして始まった新しいプロジェクトについて話すよ。」

 いっぺん僕に叱られた経験のあるアレッシオ(そのブログは コチラ!)は、
 マジメに、そう、美女に対する態度とは真逆でもって、マジメに話し始めた。

 現オーナーでパパのステーファノには、3人の息子がいる。
 長男マッテーオと アレッシオ、そして末っ子のルカだ。
 昨年、マッテーオに男の子が生まれた。 名をピエートロ・イナマという。

「イナマの4代目跡取りが生まれたんだよ! だからボクはもうちょっと遊ぶよ♫
 日本の彼女ほしーなー。」

 とか言ったか言わなかったかw

 そんな軽やかなトークを交えながら、新しいワインについても話してくれた。

アレッシオ・イナマ。_d0212522_22232663.jpg
ソアヴェ・クラッシコ ‟ヴィニェーティ・ディ・カルボナーレ” 2016
と、
ピニャータさんのアマトリチャーナ

 この2016年がファーストヴィンテージとなるワイン。
 彼らが持つ畑 「フォスカリーノ」 から北に位置するカルボナーレ。
 南及び南東向きのフォスカリーノに対し、カルボナーレは東向き。
 フォスカリーノは日照条件が非常に良く、結果、ふくよかな果実が生まれるため、
 樽での熟成が理想的。
 対してカルボナーレは、フォスカリーノに比べれば日照時間が少ないため、
 <果実味>よりも<シャープな酸>を備えたブドウに仕上がる。
 そのシャープな酸をそのまま活かすため、ステンレスでの熟成を経る。
 そんなカルボナーレ。
 父から譲り受けた3兄弟の時代の到来を象徴するワインとして、彼らは位置付けた。
 ラベルには3つの手が描かれている。 そう、
<3兄弟の手によるソアヴェクラッシコ>を表しているのだ。
 このアイデアはアレッシオが考案したそうだ。
 やるやんアレッシオ。

 2016年。
 イナマは非常に良い収穫を迎えることができ、
 とりわけ最上クラスのソアヴェクラッシコ ‟ロト”、カルメネーレ ‟オラトリオ”は、
 近年稀にみるグレートヴィンテージとなった。
 では、2017年はどうか?
 そこまで良い年ではなかった。
 しかし造り手とは常に、昨年よりも良いワインを造りたいと考えるものだ。

 アレッシオの言う 「新しいプロジェクト」 は、今から5年前から動き始めていた。
<前のヴィンテージを超える>
 これを実現するには、どうすべきか。
 ここに端を発し、既に行っていたことを更に細分化し、実行した。
 畑には、昆虫をはじめとした動植物との共存をさらに強め、
 畝ごとに土壌のサンプルを取って研究。
 アグローノモに有力な人材を置き、一本一本の樹を入念に見つめ、病気がちな樹を回復させた。
 赤ワインの産地、コッリ・ベーリチでは、ボルドーのコンサルタント、ステファン・ドゥルモンクールを迎え、
 カルメネールの経験値を高めた。
 つまり、畑での仕事を大幅に増やしたのだ。

 そうして5年が経った2018年、ようやく機が熟した。
 プロジェクトは2つに大別できるが、そのどちらも先述の<畑の仕事>に直結する。

 ひとつは、既存ワインのレベル向上。
 5年前から始めていたアクションがようやく実を結び、今より更に質の高いワインを造ることができた。
 畑での仕事を増やし、最良のブドウを厳選することで、前述のグレートヴィンテージ2016年をも凌駕するワインを造ることができる基盤を作ったのだ。

 そしてもうひとつのプロジェクトは、
 <スーパー> とも呼ぶべき ソアヴェクラッシコとカルメネーレを創ること。
 リリースはまだ先になるが、現在のソアヴェクラッシコの最上<ロト> よりも上だから、
 小売価格¥6,000を確実に超えるソアヴェクラッシコが生まれることになる。
 ここまでの高みを見据えているソアヴェの造り手を、僕は他に知らない。

「最高のものを創ることで、その下に位置するワインにもスポットを当てる。」
 奇しくも ソアヴェクラッシコは今、改めて注目を集めているワインだから、これからが好機だ。」
 とアレッシオは言う。
 世界を飛び回っている彼は、高騰し続けるブルゴーニュの白ワインから フォスカリーノにシフトする店をたくさん知っているという。
 価格的に上のブルゴーニュの白とフォスカリーノとをブラインドで飲み比べ、
 フォスカリーノを選ぶ人が増えているというから、そのポテンシャルはホンモノだ。

 最後にこんな質問をした。

「イナマのワインは押しなべてアルコール度数が高くない(12%~13%くらい)けれど、
それは意識してのこと?」

 その問いにアレッシオは、

「もちろん! アルコール度数は <存在感> と <飲み心地> に直結する。
 つまり、高くなれば存在感が増すが、飲み心地は悪くなる。
 逆もまた然りだが、イナマは飲み心地と存在感を両立させるように意識しているんだ。」

 なるほど確かに、イナマのどのワインにも存在感がある。
 そして極上の飲み心地だ。

 常に先を見ている造り手は、スケールが大きい。
 それはワインの味わいに確実に反映される。

「こないだウチの在庫使って営業に持って回ったんやけどその分 補てん・・・?」

 なんて チンマイ話は、即座に引っ込めましてんw

 ありがとう!アレッシオ。
 会うたびにオトナになるあなたを見ていると、オジサンも負けてられないと刺激になるよ。
 また一緒に、大阪を巡ろう。

業務用イタリアワインなら! エノテカビアンキッ!!あー今頃アレッシオは、夜の街に消えてしまったんやろなー ♫ ~


by enotecabianchi | 2019-04-19 22:24 | 造り手との食事。 | Comments(0)

by enotecabianchi