ボルゴーニョは、変わらない。
ボルゴーニョの現当主、アンドレア・ファリネッティと昼食をご一緒した。
ボルゴーニョのことは既にご存知の人も多いだろうから、教科書的な説明はここでは省いて、
とりわけ今回のランチで刺激を受けたことを中心にレポートしよう。
テキストの表紙には、「250年の歴史を持つバローロ」 とある。
それが、ボルゴーニョだ。
長い歴史の中で、バローロの、「リステ」、「カンヌビ」、「カンヌビ・サンロレンツォ」、「フォッサーティ」、「サンピエトロ・デッレ・ヴィオーレ」 という5つのグランクリュを所有する。
バローロ・リゼルヴァ と バローロは、これらのグランクリュから生まれるネッビオーロをブレンドして造られる。
つまり、この上なく贅沢なバローロということね。
そして実は、彼らの造る「バルベラ」 にも同じことがいえる。
どういうことかというと、所有する「リステ」と「フォッサーティ」の畑には、ネッビオーロの他になんと、バルベラが植えられている。
そこで育ったバルベラは、どこかネッビオーロを思わせる風格がある。
ボルゴーニョのバルベラが他と違う点、それは、ネッビオーロにも通じる風格を持ち合わせたバルベラ・ダルバだということ。
そんな彼らのバルベラ・ダルバに合わせたお料理は、コレ! ↓

タリオリーニ 地鶏のズリ・ハツ・キモ のマルサラ酒煮込み オーストラリア産黒トリュフがけ
もうね、言葉は要らないね。
バルベラ・ダルバはブルゴーニュグラスで呈された。それもまた、粋な計らい。
ブルゴーニュグラスが全てのバルベラに順応するとは思えない。
実際、個人的にバルベラは、ボルドーグラスをイメージづけていたからね。
これもまた、「バローロの畑で造られたバルベラ」 という背景が関わっているからに違いない。
自信を持ってお勧めする。

バローロの造り手なのにエラいバルベラ推してしもた。
それだけ素晴らしい味わいだったからね。
アンドレアは現在、28歳。
食事しながらゆっくりと話した。
アンドレアには、ボルゴーニョのオーナーとして進むべき道を指し示してくれたワインがある。
<ボルゴーニョ・バローロ1982年。>
これを飲んだ時は、全身に稲妻が走ったそうな。
彼がオーナーとなった2008年当時、ボルゴーニョは近代的な設備をいくつか採り入れていた。
ステンレス発酵槽が1998年から使われはじめ、培養酵母での発酵も1983年から始められていた。
つまり、彼が飲んで感動した 1982年のバローロは、その近代設備が導入される前の、最後のヴィンテージということ。
運命的な出合いとするしかないが、それを経験した彼は、ボルゴーニョだけが持つ、「独特のクラシック」 を変えるべきではないと直感。
そしてすぐさま、ステンレス発酵槽を売却してセメントタンクを購入、土着の酵母を使っての発酵を行うに至った。
「ボルゴーニョは、変わらない。」
彼はそう言い、バローロやバルベラに対しては伝統的な造りを踏襲し続ける。
その傍ら、リースリングやティモラッソなど、今までボルゴーニョが手掛けなかった<白>をリリースしたりと、
彼の<挑戦>ともいえるアクションは、これからも目が離せそうにない。

Ci vediamo in Barolo ♬
タヴェルネッタ・ダ・キタヤマのシェフ&スタッフのみなさま、ありがとうございました ♬
~ 業務用イタリアワインなら! エノテカビアンキッ!! アンドレアは天才肌♬ ~
by enotecabianchi
| 2018-08-29 20:34
| 造り手との食事。
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