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毎週月曜日更新♬ エノテカビアンキのブログ。

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イタリアワイン

リジーニ。 モンタルチーノの歴史に寄り添う造り手。


 造り手さん、いらっしゃ~い ♬
 トスカーナはモンタルチーノより、ブルネッロの古典的造り手、リジーニ。
 オーナーの一人で笑顔が素敵な ルドヴィカさん。
 彼女の造るワインをテイスティングしながら、語って頂いた。
 あ、ちなみに言うとくけれども、長いで w

 誰もが知るエノロゴ、フランコ・ベルナベイは リジーニにとって最初のエノロゴ。 2006年までの実に20年、コンサルタントを務めた。
 現在はフランコの弟子にあたるフィリッポがエノロゴを務める。
 ルドヴィカさんは、
「フィリッポがいないとリジーニは成り立たないわ。」 という。
 他のエノロゴとの最も大きな違いは、リジーニの敷地内に家を持ち、家族で暮らしているということだ。
 エノロゴは、売れっ子になればなおのことだが、月に1,2度訪問して醸造についてアドバイスし、そして次のクライアントの元へ赴く。
 住み込みで働くフィリッポとの経験と知識の差が如何ほどであるか、想像も容易だ。
 だから フィリッポほど、リジーニの畑 そしてそこで生まれるサンジョヴェーゼの個性を知るものは、いない。
 余談だが、フィリッポの奥さま、カティアさんも同じくリジーニで働いていて、彼女は事務方の仕事をしているそうだ。
 家族でリジーニに関わっているのね。

 ロッソとブルネッロを造るリジーニには、もうひとつのサンジョヴェーゼ、“サンビアージョ” がある。
 このワインはフィリッポが創造したもので、「サンジョヴェーゼのフレッシュさを味わって日常的に楽しんでほしい。」という願いから造られた。
 そのようなコンセプトだから、低温で短い発酵期間、樽での熟成を経ない。
 ロッソやブルネッロとは明らかに異なる、フレッシュな果実味が前面に出たワイン。

 ロッソは、2015年と2016年を比較試飲。
 共に暑い年で、リジーニではそういった年の場合、収穫を2回に分ける。
 通常10月中旬に行う収穫を、9月末に1回目を収穫、そして更に成熟したブドウを2回目で収穫し、それらをブレンドする。
 2015年の方が複雑みを帯びていて 酸とタンニンが穏やか。
 これは、ひとつには熟成によって得られた味わいで、口に含んだ時の馴染み方に大きな差が出た。
 ロッソ・ディ・モンタルチーノも、熟成させるべきと感じた。

 ブルネッロ2012年とウゴライア2011年を試飲しながら、リジーニの歴史について聞いた。

 リジーニ家は、1800年代からモンタルチーノに住む最古の造り手。
 彼女の叔母はブルネッロのコンソルツィオを創設した一人で、初代会長を務めた。
 彼女の名は、エリーナ・リジーニ。
 リジーニのコルクにもその名を見つけることができる偉大な人だ。
 エンブレムをまじまじと見てみると、ふたつの家紋が合わさっているのが分かる。
 左がクレメンテ家、右がリジーニ家。
 1846年、フランチェスカ・クレメンティとロドヴィコ・リジーニの結婚から、リジーニの歴史が始まる。
 と思ったら、その紋章の下には、「G.B.L.」 とある。
「これは?」
 と聞くと、
「これは <ジョヴァンニ・バッティスタ・リジーニ> のイニシャル。この人は元々ユダヤ人で、リジーニの家系でカトリックの洗礼を受けた最初の人なの。」
 おぉ! 更に時代が遡るね。 ルネサンスにまで遡るのとちゃう? (笑)
 実際のところ、それよりも前の歴史は、ご本人ですら分からないのだそうだ。

 ウゴライアは リジーニにとって重要な畑。
 1.7ヘクタールの畑は、モンタルチーノの南に位置するアミアータ死火山の影響を受け、土壌は火山性。 鉄分を多く含む。
 陽が昇っている間中、日陰にならない畑。
 オーク樽での42ヶ月に及ぶ熟成のあと、特製の栗樽で6ヶ月の熟成を経る。
 この栗材は、同じくアミアータ死火山から伐採されたもので、ウゴライアの酒質に独特の個性を纏わせる。
 栗材は使い方を誤るとタンニンが強く出すぎてしまい ワインに悪影響を及ぼすが、正しく使えばワインに独特の複雑みを付与する。

 ブルネッロ を最初に飲んだ時、もちろんブルネッロの風格を感じたが、ミネラルを多く含んだウゴライアを飲んで ブルネッロに戻ってみると、
 果実の甘みがはっきりと感じられた。
 ウゴライアこそ、古典中の古典ブルネッロだ。

 最後にヴィンテージについていくつか聞いてみた。
「2010年は、メディアが大きく取り上げたけれど、私たちからすれば良年ではあるけれどメディアが大騒ぎするほど手放しで喜んではいない。
 でもね・・・。」
 と言って彼女は今までで最上の笑顔で、
「2013年は、ファンタスティコ!」
 と言った。
 会った時から、凛とした笑顔のきれいな女性 (ひと) やなぁと思っていたが、
 あの時の笑顔は忘れない。
 キュンってなってしもたわ。

リジーニ。 モンタルチーノの歴史に寄り添う造り手。_d0212522_21390640.jpg

 ありがとう。 ルドヴィカさん。
 あなたのキュートな笑顔で、この1週間頑張りますわ ♬

業務用イタリアワインなら! エノテカビアンキッ!! 凛とした笑顔、好きやわぁ ♬ ~


by enotecabianchi | 2018-06-11 21:40 | ワインの造り手。 | Comments(0)

by enotecabianchi