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毎週月曜日更新♬ エノテカビアンキのブログ。

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イタリアワイン

官能的 プレゼンテーション。


 シルヴィア・インパラートさんが来日した。
 ご存知、モンテヴェトラーノ のオーナーさんだ。

 彼女はいつも可愛くて、色気がある。
 彼女にお会いするのは 3回目だ。
 食事をご一緒させて頂くことが多いのは、「自分のワインは料理と合わせてほしい」 という彼女の願いだったのだなと、この食事を通して知ることになった。

 今回の食事は、「熟成肉」 の魁的存在の 長居 「又三郎」さん。
 そう。 ザ・肉! だ。

 スープと前菜 そして乾杯は、「コーレ・ビアンコ 2016」。
 2015年がファーストヴィンテージのこのワインは、カンパーニア州の土着品種、フィアーノとグレコを半分ずつブレンドしたもの。
 このふたつのブドウは互いに補足し合う品種で、フィアーノは、味わいがやわらかでエレガント、白い花の香り。
 対してグレコは、より厳格でカタい性質を持つ。
 それらをブレンドすることで、華やかな香りを伴った、旨みと伸びのあるワインとなる。

 その後に続く 肉・肉・肉! は、「コーレ・ロッソ2014」 から始まった。
 このワインは 2011年から造りはじめたもので、ブドウはアリアニコ100%。
 モンテヴェトラーノとは全く異なるものを造る意図があった彼女にとっても、満足のいくものとなった。
 つまり、深く考え込むようなワインではなく、誰でも美味しく楽しめる アプローチャブルなワイン。
 アリアニコだが強いワインではなく、現地では魚介、とりわけ イワシのフリット なんかにも合わせられるのだとか。
 それだけ クイクイと飲めてしまう飲み心地の良さも魅力だ。
 実際、次から次へと焼き上がる 「焼肉」 ならば、大きいワイングラスを振り回して飲んでるヒマなどない。
 焦げちゃうじゃないか!

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 さぁ いよいよフラッグシップのモンテヴェトラーノ。
 今回は現地でリリースされたばかりの2015年と 2012年、2010年。 この3つのヴィンテージを比較テイスティングした。
 モンテヴェトラーノの畑は上質なワインにとって理想とされる 劇場型。
 植えられている3つのブドウを、品種ごとに3回に分けて収穫する。
 一番早く熟す メルロを9月に、次いでカベルネ・ソーヴィニョン、果皮が厚く晩熟のアリアニコを 10月半ばに収穫。
 ワインはバリックで1年。 それ以上はしない。

 モンテヴェトラーノが目指しているのは、そのワインが 「テロワールの刻印」 であること。
 そして、ヴィンテージが反映されているもの。 たとえ悪くても隠さず、むしろその個性を表に出す。

 1991年のファーストヴィンテージから20年間、このワインだけを造り続けた。
 インターナショナルなワインで、確かにロバート・パーカーが喜びそうなキャラクターではある。
 たいていのワインはその評価だけだが、モンテヴェトラーノはそれで終わらない。 飲みこんだあとに 厳格な味わいが長く残る。
 これが、モンテヴェトラーノの人気が世界中で沸騰し 現在でも熱烈なファンを獲得し続けている所以だ。
 
 それぞれのヴィンテージに強い個性があり、良年であった2015年は、若々しさを感じて 開くのに時間がかかったが、口あたりの優しさが印象的。
 同じく良年とされた2010年は、完璧な熟成を迎えていた。 口中のシルキーさは特筆。
 ジャーナリストで通訳をして頂いた宮嶋さんは、「オードリー・ヘプバーン的」 と言った。
 そしてシルヴィアさんはこのヴィンテージを、「日本的」 と言った。
 2012年。 やや暑かった年で フルーティな仕上がり。 「マリリン・モンロー的」 と宮嶋さん。
 個人的には、この2012年が一番好きだ。 色気がある。
 そして、時間の経過により最も大きな変化があったヴィンテージ。

 モンテヴェトラーノの表現は、女性に喩えたい。 それだけ官能的で、妖艶だ。
 パートナー(お料理) が美しい肉ならば、その感覚はより具体性を帯びる。

 食事を通じて終始楽しそうだったシルヴィアさん。 食事が大好きで、ことのほかそれを大切にしているようだ。
 こんなことを 話してくれた。

「昔、ある男性とデートしたけれど、その人は小食で、食事した時 たった一皿しか食べなかったの。
 だからその人とは、それだけで終わったわ。」

 食事に重きを置かなければ、その良さは解らない。
 <ワインは造った人そのもの> というが、
 このモンテヴェトラーノも、シルヴィアさんの個性そのものだ。

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 Grazie ! シルヴィアさん。
 あなたのワインを買い続けて良かった。
 そしてこれからも買い続けるし、あなたのファンであり続けるよ。

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by enotecabianchi | 2018-01-27 21:15 | 造り手との食事。 | Comments(0)

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