悲しい歴史と 美味しいワイン。
今から20年前に書かれたエッセイだが、イタリアの風景が目に浮かぶような塩野さんの文体は、やっぱり面白い。
その中に、『トリエステ・国境の町』 というエッセイがある。
トリエステに住む フローラ という未亡人が、故郷 イストリア を想う物語だ。
第二次大戦の戦場となった町、トリエステ。
24 あるエッセイはたいていが楽しく、時には クスッ と笑ってしまうような話だが、
この物語だけはやはり、違った。
ワインメーカーやインポーターからも、戦争の傷跡にまつわる話を聞いたりする。
畑を耕していたら所々で銃弾が出てきたり、カンティーナのすぐそばには いまだに防空壕が残っていたりするそうだ。
フリウリは、悲しい歴史を持つ場所なのね。
そんなことを話す造り手は、いたって明るく振る舞うのだけれど。
そんな、フリウリのワインに今日はスポットを当てて、テイスティングしてみた。
左から、
フリウリ・ラティザーナ・フリウラーノ 2016 (レグタ)
イソンツォ・シャルドネ “マウルス” 2015 (マスート・ダ・リーヴェ)
レフォスコ 2016 (レグタ)
悲しい歴史もフリウリの一面だが、「白ワインの聖地」 という栄えある別名を持つ場所でもある。
歴史や文化を知れば、ワインの味わいに 「色彩」 が増える。
たとえそれが、明るいものでなくてもね。
めっちゃ、美味しいでぇ ♬
~ 業務用イタリアワインなら! エノテカビアンキッ!! 「温故知新」。昔、嫌いやった社会の先生が言うてたけれど、今になって痛感してるねん。 ~