人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ

毎週月曜日更新♬ エノテカビアンキのブログ。

bianchim.exblog.jp

イタリアワイン

チェサネーゼ。

チェサネーゼ。_d0212522_1746581.jpg

 チェサネーゼ・デル・ピーリオ の合同セミナーに行ってきた。

 ご存知だろうか?
 チェサネーゼ・デル・ピーリオ はラツィオ州の DOCG。
 2008年に昇格した。
 産地は、ローマの東 40km。

 歴史あるブドウで、紀元前200年には既に 文献に登場していたそうだ。
 ローマ皇帝ネルヴァ やゲーテ、またこのブログによく出る フリードリッヒ二世も、チェサネーゼというブドウのワインを を飲んだそうだ。

 ロマンやな。

 よく知られていたブドウだが、第二次大戦後の産業の社会的変遷により畑は放棄され、チェサネーゼは忘れられた・・・。
 さらに1970年代、世界市場では国際品種が幅を利かせる時代が到来。
 だが、そんな時にも、チェサネーゼ を造り続ける熱い人がいた。
 それが、カザーレ・デッラ・イオリアのパオロさん と テレンツィのアルマンドさん、今回来日した二人だ。

 今回、チェサネーゼだけを5アイテム、話を聞きながらテイスティングしたが、感じたのは、恐らく試飲会ではスルーされるワインたちだろうな、ということ。
 そして、セミナーでじっくり考えながら飲むよりも食事しながら飲む方が、このワインを知るには良いことも、よく解った。 もっとも、僕たちプロには、こういう場は必要不可欠ではあるけれど。

 パオロさんもアンドレアさんも、まっすぐで真面目で、根っからの 「農夫」 という感じ。
 優しさが溢れ出している。

 実はワインもそんな感じなのね。

 土地に根ざしてものを育てることの重要性、とくと味わった。

 チェサネーゼは難しい品種のようで、房が小さく生産量が少ない。
 これが、このブドウがこの地から外に出ることのなかった理由だ。
 そして、晩熟のブドウでもある。 これは、国際品種と比べると実にリスキーだ。

 また、除草剤は使わず、畑の畝の間にそら豆を栽培して土にすき込む、「緑肥」 を施して、土地に優しい栽培法を実践する。

 途中、こんな質問が飛んだ。

「このチェサネーゼに 国際品種をブレンドしたら、新たな味わいが生まれたりはしませんか?」

「それはないね。 もとより、ウチにはチェサネーゼしか植わっていない。
 苗木に関しても、クローンを絶やさないように苗木業者に依頼して同じクローンを受け継いでいる。
 だから僕たちにとって大事なのは、カベルネやメルロではなく、チェサネーゼ なんだよ。」


 難しい品種であるにもかかわらず、ただそれだけを栽培し、その普及に努める彼らを見て、
 いつも思っていることではあるけれど、

「あぁ、試飲会で美味しいワインだけを扱ってたら、アカンのよねぇ。」

 なんて、改めて思い知らされたセミナー。
 そんな彼らとこれから、和食とのアッビナメントを楽しむさかいに、今日はこのへんで!

 続きは明日!

チェサネーゼ。_d0212522_18411119.jpg




~ 業務用イタリアワインなら、エノテカビアンキ なのよねぇ。~


-
by enotecabianchi | 2016-05-19 18:41 | ワインの造り手。 | Comments(0)

by enotecabianchi