チェサネーゼ。
チェサネーゼ・デル・ピーリオ の合同セミナーに行ってきた。
ご存知だろうか?
チェサネーゼ・デル・ピーリオ はラツィオ州の DOCG。
2008年に昇格した。
産地は、ローマの東 40km。
歴史あるブドウで、紀元前200年には既に 文献に登場していたそうだ。
ローマ皇帝ネルヴァ やゲーテ、またこのブログによく出る フリードリッヒ二世も、チェサネーゼというブドウのワインを を飲んだそうだ。
ロマンやな。
よく知られていたブドウだが、第二次大戦後の産業の社会的変遷により畑は放棄され、チェサネーゼは忘れられた・・・。
さらに1970年代、世界市場では国際品種が幅を利かせる時代が到来。
だが、そんな時にも、チェサネーゼ を造り続ける熱い人がいた。
それが、カザーレ・デッラ・イオリアのパオロさん と テレンツィのアルマンドさん、今回来日した二人だ。
今回、チェサネーゼだけを5アイテム、話を聞きながらテイスティングしたが、感じたのは、恐らく試飲会ではスルーされるワインたちだろうな、ということ。
そして、セミナーでじっくり考えながら飲むよりも食事しながら飲む方が、このワインを知るには良いことも、よく解った。 もっとも、僕たちプロには、こういう場は必要不可欠ではあるけれど。
パオロさんもアンドレアさんも、まっすぐで真面目で、根っからの 「農夫」 という感じ。
優しさが溢れ出している。
実はワインもそんな感じなのね。
土地に根ざしてものを育てることの重要性、とくと味わった。
チェサネーゼは難しい品種のようで、房が小さく生産量が少ない。
これが、このブドウがこの地から外に出ることのなかった理由だ。
そして、晩熟のブドウでもある。 これは、国際品種と比べると実にリスキーだ。
また、除草剤は使わず、畑の畝の間にそら豆を栽培して土にすき込む、「緑肥」 を施して、土地に優しい栽培法を実践する。
途中、こんな質問が飛んだ。
「このチェサネーゼに 国際品種をブレンドしたら、新たな味わいが生まれたりはしませんか?」
「それはないね。 もとより、ウチにはチェサネーゼしか植わっていない。
苗木に関しても、クローンを絶やさないように苗木業者に依頼して同じクローンを受け継いでいる。
だから僕たちにとって大事なのは、カベルネやメルロではなく、チェサネーゼ なんだよ。」
難しい品種であるにもかかわらず、ただそれだけを栽培し、その普及に努める彼らを見て、
いつも思っていることではあるけれど、
「あぁ、試飲会で美味しいワインだけを扱ってたら、アカンのよねぇ。」
なんて、改めて思い知らされたセミナー。
そんな彼らとこれから、和食とのアッビナメントを楽しむさかいに、今日はこのへんで!
続きは明日!
~ 業務用イタリアワインなら、エノテカビアンキ なのよねぇ。~
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