「美味しいの、教えて。」
スーパートスカーナ・ブームが落ち着き始めた頃、土着品種の重要性がささやかれ始めました。
イタリアにおいて国際品種が肩身の狭い想いをするようになって十数年が経ちました。
時代の潮流はめまぐるしい。
エノテカビアンキのリストは年に4回、更新されます。 ということはこの10年間で 40回、更新されたことになるんですね。 その間、少なからずその大波に影響を受け、
「イタリアワインのリストなんだから、国際品種を重んじたワインは削除してしまおう。」
なんて浅はかな考えがこの10年の間にあったことを、ここで告白しておきます。
あー恥ずかし。
モンソルド 2010(チェレット)
そんな浅はかな昔の僕にリストから追い出された、不幸なワインのひとつ。
ブドウは、カベルネソーヴィニョン、メルロ、シラー、ネッビオーロ。
黒っぽい花の香り。 穏やかなタンニンながら豊かな果実味とボディ。
バランスの良さは特筆ものです。
いつの頃からか、エノテカビアンキのリストは独りで造るべきではない、と思いはじめました。
選択肢を広げることは、視野を広げるということ。
だからこそ僕は、インポーターだけでなくレストランの人たちにも、更には一般の人にまで、声を大にして言っています。
「美味しいワイン 教えてね。」