ヴィンテージについて、思うこと。その2。
僕がこの業界に入ったときは、ドルチェットやバルベラが90年代はじめ頃のものを販売していました。その頃はヴィンテージの良し悪しも分からず、とにかく自分が飲んで美味しいと感じたものをひたすらお客さんに勧めていました。
しばらくして、1990年のバローロやブルネッロが出た頃は、なんだか「飛ぶように」売れた記憶があります。若い僕にとってこの現象は強烈なインパクトがありました。ヴィンテージひとつでこれだけの差があるのか、と。 そして翌年の1991年が出た頃は、また普通の出荷数に戻りました。
今なら91年や92年のようなオフヴィンテージとされる年は、買い控える人が多くいるでしょうね。
何故か立て続けに、1991年のワインをふたつ飲みました。

ロッソ・ディ・モンタルチーノ 1991(イル・ポッジョーネ)
今でこそロッソ・ディ・モンタルチーノの立ち位置は確立されていますが、このヴィンテージが出たあたりは、「ブルネッロのセカンドワイン」という位置に甘んじていました(少なくとも日本ではね)。そのワインがなんともしなやかに、妖艶に変化していました。
「ブルネッロのセカンド? 誰が決めた? そんなこと」
造り手がそう言っているような、自信に溢れたワインでした。

バローロ“コンテイサ・チェレクィオ” 1991(グロミス)
ナポリ王国の準備日であった日曜日、疲れた僕達を迎えてくれたのは、年齢不詳の美しいワインでした。飲むごとに、香るごとに目がトロンとなってしまうほど、魅惑的。
最初はキュッと閉じていましたが、ゆっくりと開いて僕たちが「アニョロッティ・ダル・プリン」を食べている頃にその頂点を迎えました。むろん、古酒らしい味わいはその後も存分に楽しめました。
食事の間中、僕の頭の中では フライドプライドの「マイダス・タッチ」が流れてました。
その指が触れたとたんに 何もかも変わってしまう
僕はもう あなたの虜 動けない
MIDAS TOUCH
その瞳そのくちびる メデューサの微笑
溺れさせて 息が止まるまで
タイトルのことをすっかり忘れてましたね。
この共通したヴィンテージの共通した感想は、
「誰だ?このヴィンテージをオフヴィンテージだなんて言った奴は?」
20年以上経った今でもこれだけの感動を与えてくれたこのワイン達に、感謝。
ワインが美味しくなる季節ですね。
思いっきり楽しむつもりなので、笑い声が大きすぎたら、注意して下さいね!(笑)
by enotecabianchi
| 2012-09-11 19:40
| 美味しいワイン。
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Comments(2)

笑い声だけ???笑
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