外から見たイタリアワインの理想。
長引く不況とこの雪とをなぞらえながら、でもやがてこの雪も溶け、必ず訪れる春を心待ちに、黙々とワインを飲みます。 って結局ソレかい!← ひとりツッコミ。
カイアロッサ・ビアンコ2008 と ペルゴライア2006 (カイアロッサ)
「今年は関西に力を注ぎます!」 と嬉しい言葉をかけてくれたP社の土生さん。もう既に2度、大阪に来られています。有言実行、見習います。
今回はそのP社が扱うワイナリー 「カイアロッサ」 です。場所はトスカーナ州 ピサにある リパルベッラ。ルカ・ダットーマがいち早く注目し、自身のワイナリー「ドゥエマーニ」を設立したと同じ場所です。もう一つ興味深いのは、このワイナリーはボルドーの シャトー・ジスクール のオーナーが設立した、ということです。ビアンコは、シャルドネとヴィオニエを半分ずつ。ペルゴライアは、サンジョヴェーゼに少量のメルロとカベルネ・フラン。造り手の予備知識があったからか、飲んだ時の共通する感想は 「コレ、本当にイタリアか?」 というものでした。無論これはポジティヴな驚きで、イタリアに馴染みのある僕(てかそれしか知らない)にとっては新しい味わいでした。
カイアロッサ・ビアンコは、品種構成に加え 熟成にバリックを使用していることから、えてしてヴァニラが効き過ぎた白になりがちですが、飲んだときの引っ掛かりがなくエレガント。トロピカルフルーツを連想させる「トスカーナ・ヴィオニエ」の特徴を確かに感じながら、それでいて酸味とのバランスが整っています。ワイナリーの名を冠しているだけに、白ワインの中ではお高いですが、「このワインは高くて良いです」、と感じさせます。
ペルゴライアは、価格と品種構成を見れば、「力強いワインなんやろな」 と想像しますが、パワフルなワインではありません。ですが、上質なワインです。いつまでも嗅いでいたい華やかで色気のある香り。適度な力強さはあるが それを強調せず、あくまでもエレガントに 長い余韻が続きます。
ロワールを代表する ラドゥセット男爵さんが少し前に来日された際、自らが初めて最初から手掛けたイタリアワインのお披露目がありました。実はその時も、「フランス人がイタリアワインを造るとこうなる」 というお手本を飲んだようで、嬉しい驚きがあったのですが、それはまた改めて。
イタリアワインの新たな可能性、一度体感してみては?