
7月最初の造り手来阪。
カマルティーナの造り手、クエルチャベッラから、ジョルジョ・フラジャコモ。
彼と食事するのは3回目だと思うが、今までもなかなか面白いアッビナメントを体験した。
最初は、イタリア料理。しかも、魚介に絞り込んだメニューで、彼らの赤ワインにもお魚を合わせ、同席した全員を驚かせた。
その次は、中華だった。これもまた面白かった。
<香港式焼物盛合>とキアンティ・クラッシコの相性に、探していたパートナーを見つけたような安堵感を覚えたものだ。
そして今回!満を持してという感じの、<和食>に合わせられた。
先附から八寸、焚合、デザートまで、日本料理のコースをクエルチャベッラが造る5種のワインをアッビナメント。
やっぱりすごいわ。
全部を説明したら2品くらいで読者いなくなるから1品を抜粋ね。
焼物:黒毛和牛ロース肉のアスパラ包み焼き 淡路島産あられ玉葱の焼き味噌掛け 針京葱
このお料理には、カマルティーナ2018が合わせられた。
これね、合い方がすごい。後述するがカマルティーナは濃くてリッチなワインではない。
そのカマルティーナが持つ繊細さに、優しい甘みを伴った和牛そして、味噌のしっとり。
アッビナメント・ペルフェットでございました。
カマルティーナ。
クエルチャベッラはこのワインを造るために創設された。
ジャコモ・タキスをアドバイザーに、ジュゼッペ・カスティリオーニがクエルチャベッラを創立したのは1974年。
サッシカイアやティニャネッロと比べるとよりエレガントなワインを造りたいと創立前から考えていた。
タキスにそう伝えると、より内陸へ、そしてより標高の高いエリアへと彼に助言し、辿り着いたのが「モンテ・クエルチャベッラ(クエルチャベッラ山)」だ。
世界の偉大なワインたちと肩を並べるワインと創る、という創業当時からの明確な夢の実現は、
スーパートスカーナ・ブームの火付け役となったその時代が、
そしてその名声が今でも世界中で轟いている事実が、それを証明している。
良年しか造らず、1万本しか造らない、繊細で貴重なワイン。
創業者ジュゼッペには娘がいる。
彼女はワインセラーで遊ぶのが好きで、「ここはあたしのおうち」と父によく笑顔で話した。
彼女の名は、マルティーナ。そう、マルティーナの家、<カ・マルティーナ>なのね。
クエルチャベッラをトップ生産者たらしめたワインの名前は、なんとも微笑ましい娘の言葉がその源だった。
食事しながらジョルジョは言う。
「ボクにも二人、娘がいるからよくわかる。娘の名をワインに付けるとしたら、それがカンティーナにおいて最高のワインじゃないとダメだ。
親としてそうありたいし、そうじゃないと怒るだろ?(笑)」
それは、父が自分の娘に捧げたワイン。
最高のワインでないとダメだという宿命を持つ。
カマルティーナは、そんな娘への深い愛情と戒めによって世界に名を知られ、その名声と共にクエルチャベッラは、世界に熱狂的なファンを持つ。
最初から、強さよりも優しさを旨としたワイン造り。
だからこそあらゆるお料理、とりわけ和食に、抜群に寄り添ってくれるのかもしれないね。
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