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毎週月曜日更新♬ エノテカビアンキのブログ。

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イタリアワイン

~ ピエロがやらねば 誰がやる ~_d0212522_09361642.jpg
人によってイメージは異なるだろうが、僕のもっている<カンパーニア州>のそれは、<海>のイメージが強かった。
だから今回のセミナータイトル、<Viticoltula di Montagna(山のぶどう栽培)>というのは、少し意外な感じがした。
マストロベラルディーノ。
過日、10代目当主ピエロ・マストロベラルディーノが来阪、ランチセミナーをご一緒させて頂いた。
メインテーマは、日本初輸入の新しいシリーズ、<スティレマ>のお披露目とそのアッビナメント。
会場は、靱本町オピューム。
実はマストロベラルディーノとオピュームとは深い繋がりがある。
というのも、今年で創業40周年(!)を迎えるオピュームが、数多の造り手を迎えてきたその最初が、他でもないマストロベラルディーノだからだ。
店内には数々の思い出深い造り手のサインボトルが飾られていて、マストロベラルディーノのボトルもその日、ピエロを出迎え、再会を果たしたのです。
ランチセミナーのはじまりはピエロによるカンパーニアの歴史と現在、マストロベラルディーノの300年以上にわたる歴史と現在についてを簡潔に説明、最初の白ワイン、<ネロアメタ2019>で乾杯となった。
<マストロベラルディーノのためのプランツォ>と銘打ったランチの最初のお料理は、<サラミのパテを詰めたグジェール>。

~ ピエロがやらねば 誰がやる ~_d0212522_09370224.jpg

「はい、シュークリームでーす!」
というオーナーのおどけた説明が場を和ませる(笑)
手に取って食べるそのスタイルにピエロも、「若い頃を思い出すよ」とご満悦。
ほんの少し収穫を早めたアリアニコを白ワインとして仕上げたネロアメタと、心地良い相性。
メインテーマであるスティレマの前に、ソムリエール石垣さんからコースの説明が入った。
「事前にワインを試飲した時、魚介よりもお肉料理との相性が良いと感じたので、シェフと相談して特別に創りました」
続くワインはフィアノ、グレコそしてタウラージと白が多めだっただけにその言葉は意外だったが、そのアッビナメントは全て完璧。このランチにかける想いをも、しかと感じることができた。
お料理とのアッビナメントは以下の通り。

~ ピエロがやらねば 誰がやる ~_d0212522_09372912.jpg

前菜
スティレマ・フィアノ・ディ・アヴェッリーノ・リゼルヴァ2019
鶏胸肉のプロシュット 金柑と百合根のクリーム添え

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パスタ
スティレマ・グレコ・ディ・トゥーフォ・リゼルヴァ 2018
ニョッケッティ・サルディ アワビとその肝のソース


~ ピエロがやらねば 誰がやる ~_d0212522_09381502.jpg

メイン料理
スティレマ・タウラージ・リゼルヴァ 2016
仔羊肉の煮込み
ラディチ・タウラージ・リゼルヴァ 2016
仔羊肉のロースト タプナード添え
ここで、スティレマについて説明しよう。
スティレマは2014年、ピエロにより考案されファーストヴィンテージは2015年。
直訳すると、古い文語体の「スタイル」で、特定の人の「流派」や「様式」を意味する。
そしてここでのスタイルとは父であるアントニオのことで、1960~70年代のワイン造りを踏襲する。
・クリュの概念ではなくキュヴェ(ぶどうの選別)の概念を優先。
(だからスティレマは畑の名ではない)
・白ワインにおける長いシュール・リー。
・赤ワインにおける低温短期マセレーション。
・瓶内での長期熟成の末にリリース。
これらに加えスティレマを名乗るワインは全て標高の高いぶどうを使用する。
当然の帰結ながらその過程を経たワインは長期熟成に長け、時を経れば深みが増すように造り手ピエロが意図したものだ。まもなく2023年ヴィンテージがリリースされる白ワインにおいては2019年が現行というから驚きだ。
実際、スティレマは全てリゼルヴァの表記がなされている。
タウラージのリゼルヴァは見かけるが、フィアノもグレコもリゼルヴァ表記されたワインを、僕は今まで見たことがない。
ラベルもボトルデザインも、全てピエロによるものだ。
<調和>を意識したという本人の言葉通り、なにかが突出することなく、スケールが大きくも、うるさくない。
これは通訳小林さんの話だが、ピエロは自身のワインを語るとき、しきりに「Agilita」と表現する。これは直訳すると「すばやい」という意味だがピエロの意図は、「引っ掛かりがない」「しなやか」といった「もたつきのない」という意訳に辿りついたという。マストロベラルディーノのワインを知る人なら納得の言葉であろう。
ピエロは終始柔和で物静かな語り口調だったが、その彼が幾分興奮気味に語ったのがお料理とのアッビナメントについてだ。
シェフとソムリエとの連携で成り立つアッビナメント。
この会のためにどれだけの話し合いと試食がなされてきたか、食事を通してピエロは解ったのだろう。
目をキラキラさせながら手を合わせてシェフとソムリエールにお礼を述べていたのが印象的だった。
~ ピエロがやらねば 誰がやる ~_d0212522_09383795.jpg

古きワイン醸造を現在の技術で再現する。
カンパーニアにおけるルネサンスの縮図ともいえるスティレマは、カンパーニアのワインをプレステージへと昇華させた存在といえよう。
これは、ピエロ・マストロベラルディーノでなければできなかったことだ。
ランチの席では他にもいろんな話をした。
ナポリのこと。ピーノ・ダニエーレのこと。
リストレット大好き!ってことも納得したし、彼のホストテストは誰よりもスマートで色気があった。
物静かで柔らか、スマートで色気がある。
そして彼には、威厳がある。
創立から10代続く家系の長、そしてカンパーニア州における王の風格が、ピエロに感じられた。
1930年から日本に輸入されているマストロベラルディーノ。
そんな昔に輸入され今も変わらず愛され続けている造り手は、そう見つけられるものではない。
その偉大さをもっと知ってほしいし、知られるべきとも思う。
やたら長くなったのは、その強い想いによるものなのですよ(言い訳w)

# by enotecabianchi | 2024-02-19 09:21 | Comments(0)


スタッフが増えたことによりオフィスでお客さんと話す場所がなくなってしばらく、

インポーターさんとの商談はもっぱら屋上、陽光を浴びながらのテイスティングだ。
これはもう造り手のテラスさながらに、誠にワインが美味しくなるのです♬

せやけども、陽が差さず曇天で風が強く吹く日なんかはもう、刺すような寒さとなってテイスティングどころではないのです。
どんな商談環境や!
🤣

4月には素敵なテイスティングルームが完成する予定なのでしばしお待ちを♬

さてさて先週はというと、幸運にもうららかな陽光の下でのテイスティングとなった。
そして飲んだワインはコレ!

~ 飲む人みんな、ええ笑顔 ~_d0212522_18144452.jpg

バローロ・ヴィーニャ・ドゥラ・ロウル 2018(ロッケ・デイ・マンゾーニ)

はっきりとバリックを感じながらもそれがケバくならないのは、長年このスタイルを造り続けることで得られる<落ちつき>といえようか。
酒質とバリックとの強さに均整がとれた抜群のセンス。

スケールの大きいバローロだ。

大いなる説得力を前に思わず目を細め、そしてニヤニヤしてしもた。

キモいな🤣
ウチで扱うことを決めたが、リストに載せるだけでは絶対に売れない。

だってこれ、小売¥17,000 だもの。

説明が要るし、扱うと決めたときの熱量も伝えないとまず出ないだろう。

でも、飲んでもらえたら、響くんじゃないか?こんなに美味しいんだから。
そう僕が思ったのを鋭く感じ取ったのか担当さん、

「これ、今日置いていきますね」

つってボトルを置いて帰りはった!

「明日持って歩けよ」

夕陽に照らされた背中にはそう書いてあったけどな🤣

そうして翌日、10軒のお客さんに飲んでもらった。

すぐにはオーダーに繋がらなかったが、いつか反応してくれるような、そんな手応えがあった。

説得力のあるワインを持って歩くのは、楽しい。

売れるに越したことはないけれど、

そういうワインを飲むと人は、ええ顔するからね。

そのええ顔を見るのが、好きなのですよ。

出来不出来は別として、営業マンの性なのよねぇ。

ゴメンねぇ小林さん。1本も売れんかったわ🤣

#
エノテカビアンキ

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# by enotecabianchi | 2024-02-13 18:15 | 美味しいワイン。 | Comments(0)

~ サグランティーノの新定番 ~_d0212522_17295199.jpg

2月の来日、二社目♬

といっても1月の合同試飲会には来日してたけどね。
ウンブリアはサグランティーノの造り手、チェザリーニ・サルトーリから、
アリーチェとそのカレシ。

パートナーではあるけれど、もうほとんどマンマと息子みたい。
本人にそれ言うたら否定せんと照れ笑いしてた(笑)
それでエエのか?(笑)

たいていの造り手は23日、日本に滞在して他のアジアの国々を巡るものだが、

この二人はなんと10日近く滞在した。観光か?(笑)
とはいえ、全国を飛び回って自らのカンティーナの布教に勤しんでいたのはたくさんのSNS投稿でもうご存知ですね。

.

チェザリーニ・サルトーリはアリーチェのパパがイチから創立した造り手。

パパは国立電気エネルギー省のトップを務めていたのだとか。なんやすごいがな。

2000年創業という比較的新しい造り手。

畑にブドウの苗を植えることから始めたというから正真正銘の「イチから」やね。

そうして昨年のヴィニタリーでウンブリア州最優秀ワイナリーに選ばれたというから、その努力は本物だ。

.

そしてその情報を聞いてかスエズ運河の騒動か、彼女が来日する前に売り切れが続出!
売りたいけど売れないジレンマが彼女を観光地へと、そして道具屋筋へと誘ったのである(笑)

そんなお二人を囲んでの食事は、北新地タンポポさん。

この日までアリーチェをお好み焼きに連れて行かなかったんだと担当さん。

聞くと、

「以前来日した際に食べたお好み焼きが美味しくなかったと言っていたから失敗は許されないんです!」

とどこに力点を置いているのかわからないコメントしてはった(笑)

してその相性は?

~ サグランティーノの新定番 ~_d0212522_17301503.jpg

僕も予想した通り、お好み焼きをはじめソースや出汁系のお料理に、彼女のワインは抜群に合う!

ふたりともお料理が運ばれてくるたび大はしゃぎして料理研究家よろしく吟味してはったわ(笑)

夙川のグランシェフと試飲会で、

「飲み手を拒むようなガッチガチのサグランティーノが多い中、チェザリーニ・サルトーリのそれは、強さを伴いながらも優しい。それがイイ!」

と話し合った。価格もいいね!とも。

総合的にみて、これからのサグランティーノの主軸となるかもと予感させる、そんな風格をもったワインたち。

ヴァレンタインデイを終えたあたりから出荷できるようになるそうだ。
もう欠品なんて、あり得ない。

よねぇ近藤さん?(笑)


# by enotecabianchi | 2024-02-05 17:38 | 造り手との食事。 | Comments(0)


アポイントが集中する日ってあるよね。
その日は午後から3件入っていていずれもおすすめワインの提案という内容。

そのうちの二人にはメールで、「ワケあって屋上での商談になるから温かくして来てね」と伝えたら、

二人ともがあったかいお茶を提げて来社しはった(笑)

しかもおそらく同じコンビニで買ったであろう袋でw
仲イイねぇ♬

スタッフの分まで計8本(笑)ありがとう♬
そうして持って来られたワインはコレ!

~ 熱をはかって買うのです ~_d0212522_07422037.jpg

フランコーネのワインたち。

担当さんが昨年造り手を訪問して、いたく感銘を受けたから来月はこの造り手にスポットを当てたい。

とじっくり詳しく語って頂いた。

僕自身もフランコーネのワインたちをここまで深く味わったことがなかったから、良い経験になった。

結果、大いに納得して来月チラシを同封することにしたから、到着をお楽しみに♬

担当さんのトークで訪問したときの情景が熱を帯びて伝えられ、ワインの味わいが普段よりも美味しく感じられたように思う。

実際そういうもんやね。

バルバレスコ・イ・パトリアルキ2019年は秀逸。

どれも良かったが特筆に値する。

そうして次の約束時間を過ぎて熱く語った末、元気に帰っていきましたとさ。

そして、待たせてしまったその後の担当さんはなんと、

「会社的に売らないといけないワインを持ってきました」

とまるでその日のオチのように売れ残ったワインを持って来られた(笑)

そのワインへの情熱など、あるわけないよね。

ワインは人から買うものだ。

だからこそ担当さんの個性はことのほか大事なのよね。

え?

そのオチ持ってきた人はどうなったかて?

オチ持ってきたから裏切ったらアカンやん(笑)
コンコンと説教受けられた末、しょんぼりと帰っていきましたとさw

次に期待するとしよう(笑)

そんな、楽しい一日のご紹介でした。
2
月のDM、間もなく完成ですよッ♬


# by enotecabianchi | 2024-01-23 07:42 | つぶやき。 | Comments(0)


117日が、今年も来ましたね」

神戸出身のDJメメさんは番組の冒頭でそう言った。

あれから、29年。
この日に人と話すと、当時どうしていたかを語り合うことが多い。

当時僕は大学生だったが、横で一緒にラジオを聞いていた溝口さんは中学生だったとか。
それぞれの想いを胸に、語り継いでいこうね。風化させないために。

ほいで、今日のワインはコレ!

~ 良酒は続くよいつまでも ~_d0212522_17455722.jpg

ノタルパナーロ2015そして、1975

あの震災の20年前に造られたノタルパナーロと、

あの震災から20年後に造られたノタルパナーロを、飲み比べた。

昨年11月に開催された<ヴェロネッリ・コレクション>のワインリストに、

このノタルパナーロ1975年が載っていた。

僕は何よりもまずこのワインを飲みたかった。現行ヴィンテージを飲みながらね。
それは職業的興味によるものもあったがそれと同時に、

現行ヴィンテージと飲み比べながら、インポーターの担当さんそしてそのお店の店主と語らいたいと、思った。

そしてその想いが担当さんに伝わったのか、はたまた愛?(笑)によるものか、
昨年末の挨拶にまさかの現行ノタルパナーロを持って現れた。

これはもう年明け早々に願いを実現しようと先日、店主に無理を言って持ち込ませてもらったというわけ。

ヴィネリア・ヴィアヴィーノさん。
このお店にお願いして本当に良かったと思っている。

見よこの「肉そぼろか?」と見まがうほどのコルクの状態を(笑)
この惨状でワインにコルクの一片も落とさなかった尾畑さんの、本気のプロ意識を見た。

ワインの状態?

素晴らしかった。49年を経たワインとはとても思えない極めて健全な液体。

良い熟成とはこういうことかと感動した。

そしてその40年後の、2015年。

醸造技術の発達という恩恵を受けつつ、

「ネグロアマーロは、こうだ」と語りかける自信満々のそのスタイルは、不変だ。

南だからと2015年のこのワインをスルーしている人がいるなら、かなりもったいない。

だってこれ、現行だもの。

造り手が売れ残ったワインを出してきた?なわけないよね。

ワインは造り手で選ぶべき。

このふたつのワインを飲んで改めてそう感じた。

興奮気味の僕たちがセレクトしたセコンドピアットは、


~ 良酒は続くよいつまでも ~_d0212522_17461506.jpg

「牛肩肉のサンジョヴェーゼ煮込み ペポーゾ(黒胡椒風味)」

どうよ?
ナイフとフォークを手に取り終始無言で食したのはもう、言うまでもないよね。

尾畑さん最高のパフォーマンスありがとうございました!
そしてグランシェフ小林さん!ノタルパナーロ仕様のペポーゾ、感動しました!
そしてそしてモンテ物産成田さん。
昨秋に願った夢を一緒に叶えてくれて、ありがとう♬

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# by enotecabianchi | 2024-01-17 17:45 | Comments(0)

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