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エノテカビアンキのブログ

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イタリアワイン

カテゴリ:セミナーレポート!( 7 )


 ウチのお客さんの手元には届いていると思うけれど、ピオ・チェーザレのセミナーレポートを書いた。
 長いけれど、よければ読んで下さいまし。

~ ピオ・チェーザレ当主ピオ・ボッファ来日レポート ~

有限会社エノテカ・ビアンキ 丸谷 崇

 67日、バローロの造り手ピオ・チェーザレの現当主、ピオ・ボッファが来日、「特殊な」試飲セミナーが行われた。


~ ピオ・チェーザレ ~

アルバに本拠地を置くピオ・チェーザレは、創業1881年。その歴史と、アルバにおけるワイン造りへの貢献から、アルバ市の紋章を自社のワインラベルに掲げることを許された、唯一の造り手。

 とりわけ「伝統」を重んじ、その考えに則って今日までワイン造りを全うしている。

 良いものを安定的に供給することが同社の務めと考えており、伝統とは不変ではなく、基となる考えを守るために最良のものへと更新すること、これこそが伝統であり、変えないことが良いことではない、と説く。

E’ non chiamatelo “BASE”

Please don’t call it “REGULAR”

(フツーの、なんて呼ばないで。)



 これは、現行ヴィンテージのバローロのラベルに記されているフレーズ。

 今回ピオ・ボッファが来日した目的は、これを日本のワインラヴァーに知ってもらうためだ。

 かつてバルバレスコの雄、アンジェロ・ガヤは、バルバレスコのクリュシリーズをリリースした際、代々造り続けているバルバレスコの、「並の」とか「ノーマルの」といった世間の呼び方に我慢ならず、クリュシリーズを全て「ランゲDOC」に格下げしたのは、あまりに有名な話だ。

 ピオ・ボッファによる今回のセミナーも、その考えに似ている。同社が誇るクリュ・バローロ「オルナート」をリリースしたために、伝統的に造り続けている「バローロ」が市場では、「レギュラー」と呼ばれ続けた。

 彼はこのセミナーの冒頭で、

「私はこの試みをずっと昔から考えていた。そして今日、ようやくそれが実現した。」

 と嬉しそうに話した。

 造り手なら誰でも、自分の造ったワインが、「フツーの」なんて呼ばれたくないものだ。

 まして それが、「フツーのワイン」とは到底呼べない「バローロ」の造り手なら、なおさらだ。


~ セミナーの内容 ~

バローロ・エリア内にピオ・チェーザレが所有する主要な畑、ロンカリエ(ラ・モッラ)、モスコーニ(モンフォルテ・ダルバ)、オルナート(セッラルンガ・ダルバ)のそれぞれ3ヴィンテージ(201620152014)の樽熟成中のサンプルを2週間前に瓶詰めしたもの、そしてそれらのクリュを全てブレンドしたピオ本来のバローロの同3ヴィンテージ、つまり同じヴィンテージのバローロ4種を3ヴィンテージ、計12種類の「不完全なバローロ」を、ピオ・ボッファ自らの説明と共に、比較テイスティング。

これが、最初に「特殊」と書いた理由だ。

 ピオ・チェーザレは、その長い経験から、同社の考える「バローロ」は、セッラルンガ、モンフォルテ、ラ・モッラなどから収穫したネッビオーロを、「個別」ではなく、発酵前に「全てブレンド」してバローロを造る。

 つまり、それぞれのクリュを名乗ったバローロは、そもそも造っていないし、樽熟成中のこれらのバローロは本来、存在しない。

 これらのバローロはピオ・ボッファが、いつかやろうと考えていた今日この日の為に、作ったのだ。時間と手間とお金をかけて。

 彼の想いがいかに強烈かつ切実であるかは、このことを考えれば想像も容易だ。

テイスティングは、ヴィンテージごとにそれぞれのクリュを飲み比べるスタイルで行われた。

 ヴィンテージとクリュの個性を、ピオ・ボッファの言葉で記す。


~ ヴィンテージについて ~

2016

 稀にみる素晴らしい年。

 暑くはないが暖かい年で、乾燥しすぎず、ブドウの成熟がゆっくりと進んだ。

 10月末まで夜が涼しかった。豊かな果実味が特徴のバローロとなるだろう。

2015

暑く、乾燥した年。

 2016年と比べると酸度が少なく、ドライな1年。

 8月と9月はブドウの房がやけるほどの暑さを伴った。

 根を地中深くまでおろしたブドウは、その影響を受けにくい。

2014

 一般的に難しい年とされているが、バローロ・バルバレスコ地区ではその逆。

 クラシカルな年。6月と7月に雨が多く涼しい日が続いたが、雨の降らない日は暑かった。

 雨がブドウの熟すスピードを遅らせ、7月に30%もの厳しいグリーンハーヴェストが行われた。8月、暑い日が続き、遅れていた成熟が一気に進んだ。そのあとは良い気候が続いた。

 ピエモンテのオールドスタイル。

 個性や強さを求めるのではなく、ピノノワールのようなエレガンスを求めるべきヴィンテージ。


~ クリュについて ~

ラ・モッラ <ロンカリエ>

 バローロの区画の中で最も大きく、かつ生産量が多いのがラ・モッラ。

 強い個性はないがエレガントでフルーティ、そして柔らかさを伴ったバローロとなる。

 砂質が多いため、軽やかで優しく、開きやすい。

モンフォルテ・ダルバ <モスコーニ>

 引き締まった果実、しなやかで大きく、多面的な味わい。

 優しいタンニンでシルキーな舌触り。

セッラルンガ・ダルバ <オルナート>

 タンニンと骨格、酸が溶け合っている。

 樽での熟成を要する力強さ。複雑み。

 ピオ・チェーザレが考える「理想のバローロ」とは、それが持つ「厳しさ」が備わっているものだという。だから、そのキャラクターを最も多く備えている「セッラルンガ・ダルバ」のネッビオーロが、バローロ全体の60%、と最も多い。逆にその対極にある「ラ・モッラ」のものは、その比率が最も低い。

 それぞれのクリュのものは、たとえ樽の中に眠っているものはいえ、やはり「バローロ」の個性を持っている。しなしながらそれと同時に、「何かが足りない」。

 それは、ラ・モッラならタンニンが、モンフォルテなら骨格が、セッラルンガならば上品さとしなやかさが、それぞれ不足している。

 それぞれの長所を活かし、足りないものを補うことで、全てのテロワールを備えたバローロができあがる。

 だから、ピオ・チェーザレのバローロは、畑を表現しているのではない。

 「バローロ」そのものを、表現しているのだ。

 これこそ、ピオ・チェーザレのコンセプトである。

 本来、彼らの伝統でなかったクリュのプロトタイプを作ることで理解を求める、「変えないために変える」、いかにもピオ・チェーザレらしい伝統といえよう。

 これら12種類の「不完全な」バローロをテイスティングしたのち、現行2013年ヴィンテージの「バローロ」をテイスティングした。この年は、「2012年と比べると暖かい年で、ブドウの成熟期間は長かった。好ましい凝縮感とフレッシュな果実味、そしてタンニンとのバランスが整った味わい。ワインは、長い熟成が期待できるだろう。」とのこと。

 個人的に、これまでテイスティングした12種のどのバローロよりも、均整がとれていて美味しかった。ピオ・ボッファの言う厳しさを備え、バランスが整い、そして何より、安心感があった。

 「フツーの」と言われ続けたことに異を唱えて行動したのが、今回のセミナーの主旨。

 大いに勉強になったがそれよりも、解ってもらうために努力を惜しまない、造り手の熱意に感服した。実際、彼も言っていた。

「ワインは商売ではない。情熱だ。」

 とね。

 ピオ・ボッファが長年思い続けていた願いが解ったように感じたのでこのレポートを綴ったが、文字だけでは分かりにくいと思う。とはいえ、造り手のこの努力を知っていれば、彼のバローロを飲んだ時、ずっと深く味わえるはずだ。「特殊な」セミナーだったからこそ、得たものも特殊で、また大きかった。

 どうか、彼らの努力の結晶である「バローロ」を、実際に飲んで確かめてほしい。

 飲めば必ず、「店に1本置いておきたい。」

 そう思うはず、ですよ。

2017621日 夏至


業務用イタリアワインなら! エノテカビアンキッ!! 造り手の意を汲みとるのだッ! ~


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by enotecabianchi | 2017-07-11 19:32 | セミナーレポート! | Comments(0)

 既にウチのお客さんには手元に届いていると思うが、イゾーレ・エ・オレーナのオーナー、パオロ・デ・マルキさんの来日レポートをば。
 画像はないが内容は濃い、と自負しているので、長いけれど よければ読んで下さいな。


~ イゾーレ・エ・オレーナ当主

パオロ・デ・マルキさん来日レポート ~

有限会社エノテカ・ビアンキ 丸谷 崇

 僕がイタリアワインの業界に入ったのは今から20年ほど前。

 市場では数多の情報が行き交い、各インポーターが競うようにワインを売り歩いていた。

<すごいワインがリリースされる!>という噂が流れれば、入荷する前に売り切れる時代だった。

 その中心的存在、ひときわ華やかで例えがたい魅力を纏った地域のワインがあった。

 トスカーナだ。

 スーパートスカーナの大波が次々と押し寄せてきた時代。残念なことに僕が勤めていたインポーターはそのカテゴリーを持っていなかったから、それらを売り歩いている営業マンを羨ましく思ったものだ。

 スーパートスカーナの中心となったのは、やはりフィレンツェとシエナの間、キアンティ・クラッシコ地区のワイナリーがリリースしたものだろう。アンティノリが持つティニャネッロやソライア、ペルカルロ、カマルティーナ、レ・ペルゴレ・トルテなどは、今なお活躍するワインばかり。

 その中に、今回来日した パオロ・デ・マルキさんが造る「チェッパレッロ」も肩を並べていた。

~ イゾーレ・エ・オレーナ ~

 1956年、北ピエモンテ出身の デ・マルキ家は、トスカーナ州キアンティ・クラッシコ地区内の西側、バルベリーノ・ヴァル・デルサにある、イゾーレ村とオレーナ村に畑を購入した。バルベリーノ・ヴァル・デルサは地中海から最も近い丘で、キアンティ・クラッシコにありながら海の影響を受ける特異な土地である。イゾーレは450m、オレーナは380mと、キアンティ・クラッシコ地区内でも高い標高。そしてオレーナの東側には森が広がる。良質なブドウを収穫するに適した土地といえよう。

 また、320ヘクタールを所有していながらブドウ畑は51ヘクタールというから、良いブドウを造るための環境作りに注力しているのが窺える。

~ キアンティ・クラッシコ ~

 チェッパレッロは、イゾーレ・エ・オレーナを一躍有名にしたワインだが、やはりここはキアンティ・クラッシコの造り手。キアンティ・クラッシコこそが、看板商品だ。

 主体となるサンジョヴェーゼに、補助品種のカナイオーロ、そしてそこに、シラーをブレンドする。これが、イゾーレ・エ・オレーナのキアンティ・クラッシコの伝統だ。

 今やイタリアにおけるシラーの栽培は珍しくないが、トスカーナのこの地に、最初にシラーを植えたのはパオロ・デ・マルキで、以来、キアンティ・クラッシコにごく少量ブレンドすることで全体のバランスを整える役割を担っている。

 つまり、たくましい酸を有するサンジョヴェーゼに、カナイオーロとシラーをブレンドすることによって、強い酸を和らげ、スパイシーさとフィネスを備えた、上質なキアンティ・クラッシコに仕上がるのだ。

~ チェッパレッロ ~

 今は枯れてしまったが、カンティーナの近くを流れる小川の名前からその名が付けられた。その為チェッパレッロは、単一畑ではない。イゾーレとオレーナの畑から厳選されたサンジョヴェーゼのみが、チェッパレッロとなる。

 このチェッパレッロ誕生前にサンジョヴェーゼ100%(当時、これではキアンティ・クラッシコを名乗れなかった)のワインは、「レ・ペルゴレ・トルテ」ただひとつで、その事実だけでも、このカテゴリーを創造した偉大な造り手であり、偉大なワインといえるだろう。

 ちなみに、レ・ペルゴレ・トルテのファーストヴィンテージは1977年、チェッパレッロが1980年。そしてその後、フラッチャネッロなどが続く。

  世に言うスーパートスカーナの新樽比率は高いものが多いが、チェッパレッロのそれは全体の3分の1以下と低い。その結果か、若いヴィンテージですら落ち着いた安定感がある。

 元祖「ピュア・サンジョヴェーゼ」は存在感が違うのだ。

~ コッレツィオーネ・プリヴァータ ~

 このシリーズは、シャルドネ、シラー、カベルネ・ソーヴィニョンの3種のワインで構成される。

 中でもシャルドネは、熱烈なファンが世界中にいて、日本の市場でもほとんど出回らない。スーパートスカーナ全盛と同じ頃、同じく大ブレイクした「シャルドネ・バリック」というカテゴリーを牽引したワイン。トスカーナにおける「孤高のシャルドネ」というべきもの。

 昔、このシリーズは、「コッレツィオーネ・デ・マルキ」という名でリリースされていた。

 何故、名が変わったのか聞いてみると、

「デ・マルキ家は元来、伝統的なワインの造り手だろう? だから最初は、プライベートな名を付けて伝統的ワイン、つまりキアンティ・クラッシコ、ヴィンサント、そしてチェッパレッロとは区別したかったんだ。でもこのシリーズを創ったのは僕だ。デ・マルキ家じゃない。シャルドネやカベルネで造ったワインがその名を冠しているのはどうもしっくりこなくてね。だから、僕パオロのプライベートラベル、ってことで、<コッレツィオーネ・プリヴァータ>って名に変えたのさ。」

~ プロプリエタ・スペリーノ ~

 このカンティーナは、パオロ・デ・マルキが1999年に購入したもの。

 場所はピエモンテ州レッソーナ。「北ピエモンテ」と総称されるこの場所は、今でこそ、130ヘクタールのガッティナーラ、100ヘクタールのゲンメを筆頭に、市場でよく知られるようになったが、18世紀以降は荒廃を極め、18,000ヘクタールあった畑は800ヘクタールへ、プロプリエタ・スペリーノのあるレッソーナに至っては、1,200ヘクタールからたった4ヘクタールへと激減した。

 その最大の理由は、「フィロキセラ」によるもの。それ以前は、バローロやバルバレスコよりもずっと名高い銘醸地であったそうな。

 フィロキセラが猛威を振るった後、人々は畑を復興することなく、この地を捨てて、繊維業が盛んな近隣の街ビエッラへと居を移した。レッソーナは、ビエッラから最も近い産地であったために人々に減少が著しく、畑の荒廃が最も深刻な土地となった。現在でもレッソーナは、他の2産地と比べると生産量が少ないのは、こういった歴史があるのだ。

 パオロ・デ・マルキはこのレッソーナの土地を購入、ワインを造ることを決心した。彼のルーツ、北ピエモンテとは正に、このレッソーナである。

「自分のルーツであるこの地で、いつかワインを造りたかったんだ。」

 パオロさんはそう言う。

 そこでは伝統に忠実に、この地のワイン、レッソーナとコステ・デッラ・セシアを造る。現在では彼の息子ルカもワイン造りに参加し、プロプリエタ・スペリーノの責任者として活躍する。

 レッソーナのカンティーナを購入したのは彼が50歳の時。その歳にして、新しいカンティーナを興すというのだから、気持ちが若いのだろうね。

 2017515日。一日同行して回ったパオロ・デ・マルキさんは66歳だが、とてもその歳には見えない。その歳になった現在でも、新しく考えているプロジェクトを、柔らかい笑顔を交えて僕たちに語ってくれた。

自分が昔、憧れた造り手に、会って、同行営業しているのが誇らしかった。

 この業界に入ってイゾーレ・エ・オレーナの存在を知り、それを輸入するインポーターへ入社し、それを嬉々として売り歩いた時も、本人には会えなかった。だから自分にとってこの日は特別であったし、だからこそ同じ気持ちを共有している人のお店へ、ほんの数軒ではあったけれど訪問し、本人の声で語ってもらえたのが嬉しかった(熱く語りすぎて長かったけどねー)。

「この来日が最後になるかも。」とパオロさんは言った。

 年齢的にもそうなのだろうが、

 「世界を飛び回って営業するのが僕の使命ではなく、良いワインを造り続ける事こそが使命と思っているのでね。」

 と彼は付け加えた。握手した彼の手は大きくてゴツゴツした、農民のそれだった。

 数か月前、ある会で「チェッパレッロ2002年」を開けた。

 ご存知、2002年は誰もが「悪い年」と言うヴィンテージ。

 さてそのワインは、噂通りの悪いヴィンテージを反映した味わいだったのかというと、

 全くそうではなかった。

 まだまだ上向きの熟成過程で、滑らかで素晴らしいワインだった。

 このヴィンテージのチェッパレッロを、輸入元のエトリヴァン佐々木さんは、「全くと言っていいほど売れなかった。」と言った。

 美味しいワインを飲みたい。 ワインラヴァーならば誰でも、そう願うものだ。

 だが、良いヴィンテージかどうかは、悪いとされるヴィンテージを知ってこそ判断できることで、良いヴィンテージだけを飲み続けても、それが良いかどうかは、解らない。

 毎年買い続け、飲み続けることが、良し悪しを判断できる唯一の方法であり、そういった造り手を2、3決めておくと、造り手の苦楽を少しではあるが、共有できる。

 それこそが、ワインの最大の歓び。

 40回以上、収穫と醸造を経験しているパオロさんのワインは、それだけの説得力がある。

 最後に、15年前、佐々木さんから伝え聞いたパオロさんの言葉で、このレポートを終えようと思う。

悪いヴィンテージなんて存在しない

あるのはそのヴィンテージの個性

それだけだよ

パオロ・デ・マルキ

2017522日 高野山大学図書館にて作成



業務用イタリアワインなら! エノテカビアンキッ!! 解ってもらうために、時間かけてますねん。 ~


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by enotecabianchi | 2017-06-08 13:28 | セミナーレポート! | Comments(0)

 バローネ・ディ・ヴィッラグランデ のレポート、コピペ~ッ!
 (長いので、ヤな人はスルーしてね。)


 11月19日 来阪し試飲会を行ったエトナの造り手、ヴィッラグランデ 当主マルコ・ニコロージ夫妻。
 彼で10代目というから、エトナでもかなりの歴史を持つワイナリー。
 カンティーナのある場所は、エトナ山の東側に位置する 「ミロ」。山の北と南は エトナ・ロッソ の産地として名高いが、ここ ミロは主に、白の産地として知られる。実際、北と南では、赤が80% で白は20%。 ミロは、白が70%、赤は30% の割合となる。
 この違いは、ひとつには 「降雨量」 が影響している。北と南の降雨量は、年間400ml から 800ml であるのに対し、東側の ミロは、1,200ml から 2,500ml。
 また、気温にも大きな差がある。他は、赤に適した気温であるがために白にとっては暑くなりすぎ、白ワインに複雑みを与えない。ミロは白ワインにとって不可欠な 「フレッシュさ」 を高いレベルで享受する、約束された場所。

 このミロに、カンティーナと自社畑を所有しているのは、このヴィッラグランデ だけであり、エトナでは数少ない、「エトナ・ビアンコ」 のスペシャリストなのだ。

 また、軽く見られがちな 「スーペリオーレ」 についても、彼は熱く語った。 「スーペリオーレ」 はミロの中でも特定の場所で造られた白ワインにのみ、表記することができる。
 つまりヴィッラグランデ は、エトナ・ビアンコ の個性を最も的確に表現する場所に畑を所有し、かつ、唯一の 「スーペリオーレの造り手」。
 エトナ・ビアンコ における 「スーペリオーレ」 は、ヴィッラグランデ の代名詞でもあるのだ。

 試飲会を終えた夜、北堀江のシチリア料理専門店 「クチーナ・イタリアーナ・ウエキ」 で彼らと夕食を共にした。
 食事のはじまり、彼らは乾杯に、「ムルゴ・ブリュット」 を選んだ。ネレッロ・マスカレーゼ で造られた メトド・クラッシコだ。

マルコ: 「ネレッロ・マスカレーゼで造ったメトド・クラッシコは、エトナでは伝統的なものなんだ。あまり知られていないけどね。でもこれは理に適ったことで、山の東側で造ったネレッロは、酸度が高い。黒ブドウにもかかわらず、ね。これが伝統的である理由で、乾杯に選んだ理由でもある。それともうひとつ、ムルゴを選んだ理由は、彼らとは古くからの友達だからさ(笑)」



 食事がすすみ、プリモ・ピアットは魚介の2皿。
 「魚介ラグーのリングイネ」、そして 「レモンのリゾット、赤足エビのグリル添え」 に、待ってましたとばかりに、彼らの 「エトナ・ビアンコ・スーペリオーレ2014」 が合わせられる。
 リストランテのお料理とこのワインを合わせたのはこれが初めてだったけれど、何かが突出した感じではなく、優しく、バランスが整ったもの。このバランスこそが、ヴィッラグランデ の真骨頂。

マルコ: 「テロワールを反映させること。テロワールを活かすにはテクニックは必要だよ。でも、造り込まないことはもっと重要なんだ。あくまで、エトナの土地を素直に表現することなんだよ。」


 彼らが造る赤ワインにも、ミロの個性が素直に反映されていて、強さによるものではなく、「優しさからくる個性」 を形成する。
 セコンド・ピアットの 「イベリコ豚ベジョータ肩ロースのロースト」 には、彼らが造る 「エトナ・ロッソ2013」 が合わせられた。
 なるほど確かに、赤もバランスが整っている。そのままでも優しくて美味しいが、このお料理とのアッビナメント は最高で、その良さは倍増した。

 次は、メルロを主体にネレッロ・マスカレーゼをブレンドした 「シャーラ」。
 ヴィッラグランデでは、シャルドネやメルロが少しずつ植えられている。これは、他の造り手ではあまり見られない。植樹したのはマルコのおじいさんで、樹齢は約80年。
 エトナ山は、シチリアの中でも特異なテロワールを有する。 彼らのカンティーナがある 「650mを超える標高」 とは、アルト・アディジェ のそれに匹敵する。中でも ミロ は先述の通り、白ワインに適した産地であるが故に、メルロに関しても、他のシチリアで産するメルロと比べても細身で、優しい果実味を持ったワインとなる。優しい味わいはつまり、食事には不可欠な 「飲み心地」 へと直結するのだ。

マルコ: 「リコリスやチョコレートのニュアンス。品種からくる甘みとまろやかさ、そして <山のメルロ> が有する、飲み心地の良さ、これが大事なんだ。このワインを嫌いだなんていう人は、いないと思うよ。」


 今、マルコは35歳。話す言葉ひとつひとつが自信にあふれていて、勉強熱心で、人の話に注意深く聞きいり、その質問に丁寧に答える、真面目なシチリアーノ。

 奥さまのバルバラさんは、彼と出会うまではシャネルのミラノ支店で働く キャリアウーマン だったとか。そんな二人が出会ったのは、空港だった。
 ワインを12本も持ち込もうとしたマルコは、手続きの途中で止められてしまった。
 受付人に、「一人でそんなにたくさん持ち込めないわよ。なんだったら、後ろの人に半分持ってもらったら?」
 なんて冗談を言われて、その 「後ろの人」 が、バルバラさんだったそうな。

バルバラ: 「でも手を貸したのは、彼に興味があったわけじゃなくて、彼のワインに興味があったの(笑)」

 そんな微笑ましいエピソードも、楽しい食事に華を添えた。

バルバラ: 「日本はおもてなしの国、と聞いていたけれど、それはシチリアも同じ。でも日本はそこに、 <プロフェッショナル> が共存しているのよ。そこが凄いところね。
距離はあるけれど、日本はすごく近い感じがするわ。」

 そう話すふたりの間で、同席した3歳の息子、トンマーゾくんは、やんちゃの限りを尽くすのであった。
 3人の次回の来阪が、楽しみで仕方ありませんな。

 夕食を彩ったお料理たち ↓
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 楽しい食事でした。
 Grazie ! Marco e Barbara !

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~ 業務用イタリアワインなら、エノテカビアンキ だす~。 ~
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by enotecabianchi | 2015-12-01 19:52 | セミナーレポート! | Comments(0)

 ヴィヴェラのレポート、コピペ~。
 

 11月11日、ポッキーの日、愛称 「ロリ」 こと、ロレダーナ・ヴィヴェラ が来日、夕食を共にしました。

「女子ってよく喋るでしょ? そしてシチリア人はよく喋る人種なの。私がよく喋るのはそんな理由だから、許してね♡ 」

 こんな調子で始まった食事は、終始賑やかで和やかな雰囲気。
 モンテ物産が扱うメーカーの中では、最も小さい、家族経営の造り手ではなかろうか。
 まだ新しい造り手で、創業間もない頃から日本への輸出が始まっている。最初のコンテナを出荷する時、コンテナの前で、家族で記念写真を撮り、「今から出荷するね。」 とモンテ物産へ送ったという、微笑ましいエピソードも。


 ヴィヴェラは、エトナ山北東部の標高550m~600m に位置する リングアグロッサ にある。
 パレルモにも畑はあるが、エノテカ・ビアンキ では、エトナのみを扱うことになった。

~ マルティネッラの畑について ~
 ヴィヴェラのエトナは全て、このマルティネッラからのブドウで造られる。マルティネッラは、海からも火山からも9kmの距離。それぞれの長所が表現されやすい利点がある。
 また、元々が海だった土地なので、溶岩由来のミネラルに加え、海からのミネラルをも感じさせる。森にも近く、繊細な香りと心地良い酸は、その涼しい気候に由来する。


~ エトナ・ビアンコ “サリズィーレ”2011 ~
 「カッリカンテ というブドウをストレートに感じられるように、余計なものは入れないし余計な香りも要らない。」
 そんな理由から、ブドウはカッリカンテ100%、ステンレスのみの熟成を経る。
 味わいは、樽熟成を経ているかのような複雑みとミネラル、アフターに爽やかさが残る上質なワイン。
 研究の結果、カッリカンテ はボトル熟成を長く経た方が、味わいに深みが増すことが解り、以後、ボトル熟成を長くしている。だから現行ヴィンテージがこの2011年。複雑みは、そこに起因している。


~ エトナ・ロザート “マルティネッラ” 2014 ~
 これがファーストヴィンテージ。3,300本の生産。
 ネレッロ・マスカレーゼ100%。
 ネレッロ・マスカレーゼ が持つ、 「しっかりとした酸味、色はピノネロだが、ネッビオーロのようなタンニン、そしてミネラル感」、これらを忠実に表現したロゼ。
 濃くならないように細心の注意を払い、プレスは全体の60%に留める。だからこその、美しい色あい。畑名を冠しているだけに、丁寧に醸された特別なロゼ。
 モンテロッサ (フランチャコルタの造り手) の社長に、「価格設定が間違っている!」 と言わしめたワイン。

~ エトナ・ロッソ “マルティネッラ” 2010 ~
 ネレッロ・マスカレーゼ80%、ネレッロ・カップッチョ20%%。バリックでの熟成を経る。
 エトナの伝統的ブレンド。
 舌ざわりが滑らかで、重すぎないが余韻が長く、エレガント。
 ビアンコと同じく、ボトルエイジングを長くしリリースを遅らせる。
「ある造り手が、 『伝統的比率だし法律でも決まっているから変えられないけれど、個人的にはカップッチョの比率をもっと上げたい』 と言っていたけれど、ロリもそう思う?」
 という僕の質問に、
「私はそうは思わないけれど、そう言っているのは、ベナンティ? 」

 エトナでは皆、手の内が知られているようだ。
 それだけ、交流が盛んだということね。

 楽しい食事でした。

 ディナーでは、こんなお料理たちが食卓を彩りました。

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 ほいで、この人たちが、「ヴィヴェラ 親善大使たち♡ 」 ↓
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~ 業務用イタリアワインなら、エノテカビアンキ でっせ~ 。~
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by enotecabianchi | 2015-11-30 19:33 | セミナーレポート! | Comments(0)
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 画像は、彼らが造るワインと トスカーナのパン。
 マリアージュなんてものではなく、互いが必要としているもの。

 素朴だが、いや だからこそ、奥が深い。


 レポートその2。
 いきます。



<キアンティ・クラッシコ>

 伝統的なキアンティ・クラッシコを造りたい。その思いは創業当初から変わらない。
 ワインを造り始めてしばらく経った1996年、黒ブドウのみのキアンティ・クラッシコの醸造が可能となり、それと同時にカベルネやシラーなどの国際品種も20%まで、ブレンドしてもよいと認められた。これは、リスクを嫌う大企業の考えから生まれたもので、だからこそレ・チンチョレは、サンジョヴェーゼ100%にこだわった。

ルカ
「20%、他のブドウを入れることは簡単だよ。キアンティ・クラッシコを濃く造ることもね。でも僕は、100%にすることでサンジョヴェーゼのエレガンスを見つけた。サンジョヴェーゼはネッビオーロと同じくらいデリケートで難しいブドウだ。僕にとってはキアンティ・クラッシコが最も重要なワイン。だから妥協はしたくない。」


<リゼルヴァとグラン・セレツィオーネ>

ルカ
「リゼルヴァに関しても、腑に落ちないことがあってね。周りには、スタンダードなキアンティ・クラッシコを、ただ熟成期間を長くしただけでリゼルヴァを名乗ったり、中には余ったものを使って劣悪なリゼルヴァを造っているものもあった。
 ウチのリゼルヴァ、ペトレスコはそうではない。 だから、リゼルヴァを表記しないことにした。」

 ペトレスコは2008年を最後に、リゼルヴァ表記がなくなり、トスカーナIGTとなります。

 グラン・セレツィオーネは、2010年ヴィンテージから始まった呼称。600の生産者たちの間で協議がなされ、多数決により各種規定事項が決定した。
 ただ、この多数決は、「一生産者一票」ではなく、造り手の所有する畑の大きさによって票数が変わる。
 つまりここでも、大企業にとって有利な条件が揃うこととなる。

 そして条件のひとつに、「100%自社ブドウのものを使用」とある。
 一見すると、まともな項目だがルカは、これを鵜呑みにしてはいけない、という。

 「逆に言えば、今まではリゼルヴァですら自社畑で造っていない生産者がいた、ということで、それはつまり、ほとんど買いブドウで造っていた生産者でも、グラン・セレツィオーネが造れる、ということ。
 ペトレスコは、グラン・セレツィオーネの規定をクリアしているが、それらと同じにはされたくないから、名乗らない。
 飲んでもらったから解るだろうけど2008年も2009年も素晴らしい。でも、2010年のペトレスコはパーフェクト! だから、期待してね!」

 そう、目を輝かせていた二人が印象的でした。



<こぼれ話>

 さて最後に、このレポートには書けなかったけれど、面白いコメントやエピソードを。


・二人が知り合って36年。レ・チンチョレは創業からもうすぐ25周年。

 ヴァレリア 「でも、一緒に仕事するって大変よ! 私、すごく我慢したもん!」


 必ずしも、順風満帆では、なかったんだね。。。


・元々モノ作りが好きなルカ。ワイン造りはもちろん、何に対しても どこからくるのかわからない自信を持っていて、

ルカ 「スシも簡単に握れると思うよ。その気になればね(笑)」


・・・。


・ヴァレリアは、彼らが造るロゼ 「ロザート・トスカーナ」を、「ヴォンゴレ」や「ズッパ・ディ・ペッシェ」、「カッチュッコ」 など、魚介類と合わせるのが好きだとか。

 新しいワインリストに掲載されていますので、是非試してみて下さいね。



 以上、ルカ&ヴァレリアとの営業レポートでした。


 最後に、終日の同行営業に遅くまでお付き合い頂き、また、醸造などの専門的な説明も的確に通訳され、更に、楽しい話になるとウィットに富んだ通訳をして頂いた サノヨーコさん。ありがとうございました。


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 50も半ばになろうかというご夫妻。
 今もまだ恋人同士のように仲良し。

 いつまでもお元気で。
 そしてお二人のように素朴で奥深い、素晴らしいワインを造り続けてくださいね。



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by enotecabianchi | 2015-08-07 19:23 | セミナーレポート! | Comments(0)

 ちょっと前に来日した、レ・チンチョレのオーナー、ルカ&ヴァレリア夫妻。
 彼らと大阪市内を巡った 「同行営業レポート」 ができたので、今日はそれを。

 毎度のことながら、レポートを書くと長くなる。
 だから、今日と明日、2回に分けることにした。
 それでも長いから、悪しからず。


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~ レ・チンチョレ 同行営業で知ったこと ~

<パンツァーノ>

 エリアとしては「グレーヴェ・イン・キアンティ」に括られるが、グレーヴェとはあまりにも違う地勢を有している。まず、標高が違う。パンツァーノは400~500メートルだが、グレーヴェはもっと低い。その影響から、平均気温も5℃は違う。
 パンツァーノはだから、グレーヴェとは切り離して語られるべきと思うが、これはパンツァーノの住人だけが言っていることではない。各ワイン評価誌も地域を分けているものもあるし、実際、グレーヴェとパンツァーノを分けて考える動きは、50年以上も前から存在した。

 ブドウ栽培面積700ヘクタールを有するパンツァーノ。なんとその90%が有機栽培として認められているというから、造り手全体の意識の高さが窺える。そしてこれは、世界的に見ても非常に高い水準である。
 ワインだけでなく、生活を取り巻く全てにおいて、ビオロジックであること。
 例えば、学校の給食や道路のメンテナンスに使用される薬剤などにも。
 
 この活動は現在、トスカーナ全域にまで波及していて、その起源は、農業コンサルタント、ルッジェーロ・マッツィッリ氏の提唱によるもの。<持続可能な農業の実践>をコンセプトとしており、「この人物がいなければ、今のパンツァーノはない」と言われるほど。

 ちなみにヴァレリアは、そんなパンツァーノの生産者協同組合の現会長を務める。

 パンツァーノの住人は、そのような土地で生活していることを深く理解し、業種が違っても、その意識は高い。
 ワインにおいては、パンツァーノの造り手はみな、「ウチのカンティーナは」とは言わず、「パンツァーノでは」と言う。それだけ、パンツァーノという土地に対する愛情が深い。


 そんなパンツァーノでワイン造りをしているレ・チンチョレだが、二人がここに居を構えたのは、なんと偶然であった。


<レ・チンチョレ>

 19歳の時、ゲレンデで出会ったルカとヴァレリア。その時はまだワイン造りをすることは考えてもいず、ルカはローマで測量士の事務所、ヴァレリアはミラノで、リフォームを主とした建築士の仕事をしていた。
 幼い頃からモノを作るのが好きなルカは、漠然と、いつかワイン造りを生業にしたいと考えていた。そんな中、一週間、トスカーナに新婚旅行に出かけた二人は、その風景を大いに気に入り、「ワイン造りはトスカーナで」と決め、その後、物件を探し始めた。
 そうして見つけたのが現在のカンティーナで、7ヘクタールのブドウ畑付きだったが、当時、建物はとても住める状態ではなく、修復が必要だった。

ヴァレリア
 「とにかくボロボロで住める状態じゃなかったの。でももしきれいな建物だったら売りには出ていなかっただろうし、出ていたとしても、もっと高かったと思うわ。私たちは運が良かったの。」

 パンツァーノは意外にも、海外やイタリアの他の地方から移り住んだ人が多い。アメリカやドイツ、また、ナポリ出身のジョヴァンニ・バッティスタ・ドルシ氏(カーサロステの当主)とは特に仲が良いのだそう。

ルカ
 「もう一人のジョヴァンニ(フォントディの当主、ジョヴァンニ・マネッティのこと)とも仲が良くて、彼とは自転車仲間だよ。」


 レ・チンチョレのファーストヴィンテージは1992年。ご存知の通り、世間では良くない年とされているが、レ・チンチョレも例に漏れず、収穫前からずっと続く雨、雨、雨。

ルカ
 「苦心して実ったブドウと畑を眺めながら、雨が降りしきる中、二人で泣いたよ。俺たちの人生、終わったな、ってね(笑)。
 でも幸いなことに、的確なアドバイスをくれるスイス人のバイヤーが来て、造ったワインを彼に飲んでもらったら、『マグナムにボトリングしなさい。』って言われたから彼に聞いたんだ。『マグナムってなんだ?』 経験はもちろん、当時はそれくらい、知識がなかった。 それで、彼に言われた通りにマグナムボトルに詰めたら、なんと彼がそのワインを全て買い取ってくれたんだ。いや~、助かったよ。」

 翌年の1993年、全て黒ブドウを使ってキアンティ・クラッシコを造ったら、それがスペクテイター 88点を獲得、世界が注目するきっかけとなった。

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 ここまで、前半終了。
 明日は、<キアンティ・クラッシコ>、<リゼルヴァと グラン・セレツィオーネ> についてレポートします。

 画像がないと寂しいので、
 同行営業の〆、ロスティッチェリア・ダ・バッボ さんの、ワインに合いまくるお皿の数々を。

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 明日もお楽しみに~。


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by enotecabianchi | 2015-08-06 17:33 | セミナーレポート! | Comments(0)

 先週初来日し、セミナーと同行営業をした レ・チンチョレのお二人。
 先にウチのスタッフ、木下くんが参加したセミナーのレポートが仕上がったので、それをアップしますね。

 僕のレポートはまだですねん。。。

 では、どうぞ!



~ レ・チンチョレ来日セミナー ~
当主:ルカ&ヴァレリア・オルシーニ氏 講師:内藤和雄氏(ヴィーノ・デッラ・パーチェ)
2015年 7月 8日(オピュームにて)

 カンティーナはシエナとフィレンツェの間、標高400m~500mの 「パンツァーノ」 に位置します。パンツァーノ は日当たりが良く、風当たりもよく、標高が高いため昼夜の寒暖差もあり、グレーヴェ の中では誰もが憧れる一番の土地、と称されています。

 またどんな状況下においても石灰土壌から得られる養分でワインにふくよかな酸をもたらすことができる、というのもこの土地の特徴です。
 現当主のルカ氏は以前違う職に携わっていましたが、人生そのものを大きく変えたいという強い思いで、1991年よりこの地でワイン造りを始めます。

 ワイン造りの方針は大きく分けて二つあり、まず一つはその地方の伝統に従うということ。すなわちサンジョヴェーゼを主体としたワイン造り。
 そしてもう一つは有機農法。ブドウを栽培している土の個性や土地の性質をワインに表現することを大事にしています。


~テイスティング~

<ロザート・トスカーナ 2013>
 フレッシュで赤い果実のニュアンス。グロゼイユの香り。軽やかで酸がしっかりしていて辛口でほどよいミネラル。ネガティブな要素がなくきれいな味わい。
 相性のよい料理は、パンツァネッラ、にんにくのきいたトマトサラダ、グアンチャーレの出しで作ったシンプルなズッパ、パスタインブロード、ブルスケッタ、カプレーゼ、ガスパチョ、レモンの酸がきいた カルチョーフィのサラダ。

<チンチオロッソ 2011>
 2009年から造り始め、唯一サンジョヴェーゼに国際品種をブレンドしたワイン。
 70%がサンジョヴェーゼで残りはカベルネ・ソーヴィニョンとメルローとシラー。
 畑の位置付けをしていない樹齢の若いブドウを使用。樽熟させずできたてのワインを表現し気軽に飲めるワイン。
 明るいルビー色。赤い花やスパイスの香り。フレッシュな酸とミネラル。タンニンはきめ細やかでアフター長い。ボルドーグラスに注いでも優雅に飲めるようなカジュアルすぎない味わい。
 相性の良い料理は、フィノッキオのサラミ、パッパ・アル・ポモドーロ、カーボロネロを合わせたレバーペースト。ペコリーノチーズをかけたズッキーニのパスタ。グリーンピースとパンチェッタの蒸し煮。ナムルやゼンマイ。砂肝をオイリーに仕上げた料理。


~キアンティ・クラッシコ~
 レ・チンチョレのワイン全生産量約5万本のうちおよそ半分の2万5千本がキアンティ・クラッシコです。このキアンティ・クラッシコを一番大事にし品質を落とさないように努力しています。そして伝統にこだわり敢えてサンジョヴェーゼ100%で造っています。

<キアンティ・クラッシコ 2012>
 2012年は少し冷涼でしたがスタンダードな年。
 明るい色で花の香り。柔らかくバランスよく充実した酸味。タンニンもきめ細かい。
 相性の良い料理はトリッパやパッパルデッレ。

<キアンティ・クラッシコ 2011>
 2011年はとても暑く干ばつの被害もあり。ブドウの収穫前から日照りが続き、ブドウにストレスがかかりワイン造りの難しかった年。ブドウの選別に時間をかけ、全体の40%は破棄し後述する ペトレスコは造らず、ペトレスコ用のブドウはキアンティ・クラッシコに回し品質を保ちました。
 2012年より色が少し濃くボリューム感があります。暑い年ですがブドウをセレクトして使っている健全さもフレッシュな味わいとして感じられます。
 相性の良い料理はパスタ・エ・ファジョーリ、トマトと香味野菜のパスタ、リコッタとホウレン草のラビオリ・ヌーディ。


~ペトレスコ~
 もっとも標高の高い一か所の畑からおよそ90%のブドウを使用。一番良いブドウだけを使い、ブドウの出来が良い年だけにリリースされるサンジョヴェーゼ100%のワイン。
 セメントタンクで熟成された後、古いバリックで熟成されます。サンジョヴェーゼはデリケートなブドウなので新樽は使わないようにしています。
 そして2008年まではラベルに 「キアンティ・クラッシコ・リゼルヴァ」 と記載されていますが2009年からは記載されていません。 これは造り方や中身が変わったからではありません。 2010年のワインから 「キアンティ・クラッシコ・グラン・セレツィオーネ」(C.C.G.S.) と新たな格付けが作られました。C.C.G.S.の規定の中には 「自社ブドウ100%使用のワイン」 というものがあります。ルカ氏は ペトレスコをリリースして10年、ずっと自社ブドウを厳選しとても苦労してこのワインを造ってきました。 ルカ氏にとっては元々自分がやってきたことがC.C.G.S.となること自体に違和感と憤りを覚え敢えて格付けを名乗るのをやめました。

<ペトレスコ2009>
 やや暑かった年。アルコールや残糖度はやや高め。2008年に比べ色が濃い。乾いた香り、ミネラル、鉄分を感じバランスのとれた味わい。2008年よりは早く飲み頃をむかえる。

<ペトレスコ 2008>
 みずみずしくフィネスを感じ包容力のある味わい。
 2009年とともに相性の良い料理は牛肉のトマト煮込み、ミネストラ、塩でマリネした豚肉のアリスタ。北京ダック。


<カマライオーネ 2007>
 カベルネ・ソーヴィニョン70%、シラー15%、メルロー15%。
 国際品種のみでテロワールを表現しようと挑戦。2003年よりリリース。
 この2007年は暑かった年にもかかわらず酸化のニュアンスがない。
 黒果実やクワの実、ダークチェリーの香り。アフター長く、酸やミネラルもフレッシュ。
 相性の良い料理は、フェガテッリ、ナスのパルミジャーノ、厚めのサラミ、ナッツの香りの効いた赤身の肉料理、ローズマリー風味のサルシッチャのパッパルデッレ、うなぎのかば焼き、八角風味の豚の角煮。


~感想~
 内藤氏の発想力、表現力には卓越したものを感じられました。限られた時間で後半は慌ただしく終わったセミナーでしたが、ルカ氏はずっと穏やかな様子だったのが印象的でした。自信と強い信念をもってのワイン造り。心地良い酸と親しみやすい味わい。人柄の感じられるワインでした。


木下 誠吾
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by enotecabianchi | 2015-07-14 19:33 | セミナーレポート! | Comments(0)