イナマ。 25年目からの 進化。
造り手、来社~ッ ♬
ヴェネト州 ソアヴェ・クラッシコ の造り手 イナマ から、当主の次男、アレッシオ。
昨年9月に初めて会って、今日が2回目だ。
初めて会った時は一日一緒にレストランを巡った。
その週は来日ラッシュで、その翌日はシチリアの重鎮 「タスカ・ダルメリータ」 のキーマン、アントニオさんとの同行営業だった。
アントニオさんに、今週は来日ラッシュだと伝えると、
アントニオ : 「昨日は誰が来てたんだい?」
オレ : 「ソアヴェ・クラッシコの イナマだよ。」
アントニオ : 「イナマの、誰?」
オレ : 「アレッシオ。」
アントニオ : 「アレッシオ! よく知ってるよ! アイツは笑えないブラックジョークが多くてね! 困ったヤツだ!」
そんなことを言っていた。
実際、アレッシオと同行営業した夜、ディナーでテーブルを囲んでいたら、やたら 「フクシマ」 という言葉がでてきて、通訳の小林さんも困惑気味に、オブラートに包んだ話しぶりをしていたから 何となく察知して、
「福島のことを誤った偏見でもって笑いのタネにするのなら、今後、エノテカビアンキは イナマのワインをボイコットする。」
って伝えたら、さっきまでの悪戯っぽい笑顔はどこにいったのか、すごく慌てて真面目になって謝ってきた。
でも結局、最後は握手して仲直り。 アレッシオも僕の想いを解ってくれたようだ。
このようにして信頼関係を強めることは、いいよね。
だからアレッシオとは意見をはっきりと言い合える間柄なの。
翌日のアントニオさんの言葉を聞いて、苦笑せずにはいられなかったけれど。
さて今日は、イナマが造る白のトップワインを2種類、テイスティングした。
ソアヴェ・クラッシコ “ヴィニェート・ドゥ・ロト” 2015
と、
ソーヴィニョン “ヴルカイア・フュメ” 2015
イナマといえば 有名な畑 「フォスカリーノ」 がよく知られているが、ヴィニェート・ドゥ・ロト はそのフォスカリーノの中にある西向きの区画。
フォスカリーノよりもリッチなニュアンスが特徴で、そのバランスをとるため、30%を新樽のバリックで熟成。
ガルガーネガの、そして土壌のポテンシャルを知ってもらうことを目的としたワイン。
リッチでクリーミー、かつ、火山性土壌の真骨頂 「ミネラル」 を存分に感じられる仕上がり。
ヴルカイア・フュメ は イナマが最初に造ったワイン。ファーストヴィンテージは1991年。 そう、ソアヴェではないのよね。
その頃、ソアヴェは栽培面積を拡大し、生産量を大幅に増やした時代だから、イナマはイメージが悪くなりつつあるソアヴェを造らず、ソーヴィニョンで市場を驚かせた。
そういう理由からこのワインは、イタリア国内での消費が最も多く、実際、発売から1か月ほどで完売するそうだ。
味わいは、やはり共通する 「ミネラル」。複雑な香りで、白なのにコーヒーのニュアンスすら感じる。
甲殻類。 牡蠣やウニなどにも。
そして、フォアグラなどの肝類。
郷土料理なら 「フェーガト・アッラ・ヴェネツィアーナ」 という、仔牛のレバーを玉ねぎとワインで炒め煮したもの。
これは通常、赤ワインに合わせるものだが、この ヴルカイア・フュメ はこの類の料理にも順応する力を持つ。
アレッシオが経験した日本料理とのアッビナメントでは、「フォアグラを乗せた茶碗蒸し」 との相性が最高だったとか。
ソアヴェ・クラッシコ地区で初めてソーヴィニョンを栽培し ワインを造ったのは、イナマ。
そして、ソアヴェ・クラッシコに初めてバリックを導入したのも、イナマだ。
ただ奇をてらったことをして注目を集めているのでは、ない。
それは、これらのワインが世界で永く売れ続けているのを見れば、よく解る。
2016年は、最初のヴィンテージから25年という節目の年。
コンセプトは今までと変わらず、しかし より良い方向へと動き始めている造り手、イナマ。
ますます、目が離せませんぞ。
Grazie! Alessio ♬
そのキラースマイルで、日本の女子を喜ばせてね ♬
~ 業務用イタリアワインなら! エノテカビアンキッ!! こんどは フォスカリーノ で会いたいね ♬ ~