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エノテカビアンキのブログ

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イタリアワイン

テッラッツェ・デッレトナ。


 月曜の夜は、造り手来阪に伴う メーカーズ・ディナー。

 テッラッツェ・デッレトナ。

 2008年設立というから、まだ若い造り手。
 エンジニアを生業としていた生粋のシチリア人、ニーノ・ベヴィラックアさんの、ワインにかける情熱によって生まれたワイナリー。

 実はこの造り手を知ったのは、これが初めてでは ない。
 昨年11月、ウチのセラーで説明を受けながらワインをテイスティングしたことがある。
 正直なところ この時は、あまり良い印象ではなかった。

 若い造り手であること。
 エトナにありながら一部、シャルドネやピノネロといった国際品種を使っていること。
 エノロゴに、リッカルド・コタレッラ を招聘していること。 などなど。
 そしてその結果である味わいが、ワールドワイドな造りに思えてならなかった。

 しかし今回の来阪で、その考えが浅はかであったことに 気付かされた。

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 今回ご一緒したのは、オーナーの娘さんである アレッシアさん (白いドレスのお人)。
 リッカルド・コタレッラ に醸造を学び、今では家族ぐるみでの付き合いがあるという。
 若干25歳にして、シチリア島、カンパーニア州、そしてイギリスのマーケティングを担当する。

 日本はおろか、アジアに来るのが初めてのようで、少し興奮気味だったけれど、真面目に仕事をこなしていた。 中でも特に気を遣っていたのが、ワインのサーヴィス温度。
 自分の造ったワインだから、どの温度が最も美味しいかを熟知している。
 そんな説明をしながら自らテキパキと動く姿、一所懸命で、キャワいいやん ♡

 お料理のご紹介、いきましょか。

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天然真鯛のカルパッチョ 北海道産ボタンエビのマンテカート
Carpaccio di dentice Gamberi mantecato

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パネッレとキスのフリット
Panelle e fritto di pesce "KISU"

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イワシとウイキョウのブカティーニ
Bucatini con le sarde

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レモンとピスタチオのリゾット
Risotto al limone e pistacchi

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イベリコ豚と野菜のトマト煮込みのクスクス
Cous cous con maiale "IBERICO" e verdure

と、不覚にも写真撮り忘れて即座に食べてしまった、
カンノーロ・シチリアーノ
Cannolo Siciliano


 エトナは、その標高の高さから 昼夜の寒暖差が激しいことが、特徴のひとつ。
 夏の昼は 35℃を超えるが、夜になると 15℃まで冷え込む。 一日の寒暖差、20℃!
 言うまでもなくこの寒暖差は、ワイン造りに最適だ。そして、スプマンテにも。
 同社のカンティーナは1700年代に建てられたもので、そこには、「シャンパーニュ・エトナ」と記されたワインのエチケットが残されていた。 つまりそれは、当時から良質なスプマンテの生産地であったことを裏付けている。
 そして、その頃から植えられていたのが、シャルドネとピノネロだ。
 流行や市場に合わせて植樹したのでは、ない。
 そうした理由から、ロゼ・ブリュットは、ピノネロを主体にネレッロマスカレーゼを少し。
 キュヴェ・ブリュットは、シャルドネ100%。
 この地の伝統に、忠実なのだ。

 伝統に忠実なのは、エトナDOCを名乗るロッソ2種、「カルース」と「チルネコ」にも表れている。
 カルースはシチリアの方言で 「少年」 の意。同社のスタンダードレンジだけに、エトナの黄金ブレンド 「ネレッロマスカレーゼ80%、ネレッロカップッチョ20%」。 樹齢は10〜30年のものを。
香り高さと良質の安定感は特筆もの。

 チルネコは、樹齢60年〜100年の ネレッロマスカレーゼ100%。プレフィロキセラのブドウも含まれる。
 「そこにしかない個性」 を強調したくて、この名を付けた。
 チルネコは、エトナだけに生息する古代の猟犬の名前だ。

 他にも、ネレッロマスカレーゼで醸された白ワイン 「チューリ」 や、極度に収量を抑えて造った ピノネロなど、リッカルド・コタレッラのアイデアが随所に光る。
 とりわけこのピノネロは、とてもシチリア島で造られたとは思えない複雑性がある。
 それはもう、良質のデザートワインにも通ずるような別次元の味わい。
 たった2000本でも創りたくなるのがよく解る。

 大いに勉強になった。
 物事をまっすぐに見つめるアレッシアの眼差しも、
 リッカルド・コタレッラの懐の深さも、
 こんなに似ている人が世の中にいるんだと思わせるくらいの、マリオの陽気も。

 優良なエトナの造り手が、またひとつ増えましたな。




~ 業務用イタリアワインなら、エノテカビアンキ 西川さんとマリオの夢の共演、見てみたいわぁ。 ~



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by enotecabianchi | 2016-07-06 20:19 | 造り手との食事。 | Comments(0)