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エノテカビアンキのブログ

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イタリアワイン

深く知ると、味わいもまた 深くなる。

 生産者来日~ッ!
 ウンブリア州は オルヴィエート の造り手、「パラッツォーネ」 の、ジョヴァンニ・ドゥビーニさん。

 あ、今、
「あぁ、オルヴィエート? あの軽いやつ?」
 なんて思った人、損しまっせ。 損!
 かく言う僕も、オルヴィエート のことをここまで掘り下げて話を聞いたことはなかったけどね。

 オルヴィエート のワイン造りは、2500年の歴史があるそうだ。
 エトルリア人が創った街として有名やね。
 観光地としても知られるオルヴィエートだから、同じ名を冠するワインは、「観光客用」 へと成り下がる。
 オルヴィエートは、その生産の90%は瓶詰業者によるもので、それらがいわゆる 「観光客用」。 自社ブドウでボトリングまで行っているのは、たったの25人なのだそうだ。 パラッツォーネは その代表選手。

 オルヴィエート は、2億5000万年前に海底が隆起してできた土地。
 堆積土壌、凝灰岩、粘土、そして 砂 が少し。
 ミネラルをはじめ様々な要素を、この土地から授かる。
 そしてオルヴィエートは伝統的に、5種のブドウのブレンド。
 「プロカニコ」 はワインに 「骨組み」 を与え、「グレケット」 はワインの 「肉」 となる。 「マルヴァジア」 は 「アロマ」 を、「ヴェルデッロ」 は 「ヴォリューム感」、「ドゥルペッジョ」 は 「酸」 となって、ワインに表現される。
 「複雑な土壌条件」、「5種類のブレンド」。 このふたつが、パラッツォーネの オルヴィエートに、並ではない、更には 長期熟成も可能な白ワインへと導く。

 ジョヴァンニさんとの会食、その主な目的は、
「オルヴィエートの垂直テイスティング」
 そう、オルヴィエートは、熟成するのだ。

グレケット100% のIGT、「グレック」は、2014年、2012年、2006年。
スタンダードレンジのオルヴィエート、「テッレ・ヴィネアーテ」 は、2015年、2010年、2004年。
そしてオルヴィエートの最高峰、「カンポ・デル・グアルディアーノ」、2013年、2008年、2001年。

 見事に、「熟成」 している。
 つまり、時と共に 「味わい深く」、変化している。

 現行では、華やかで快活で、若さをアピールすべく香り高い。そして、多くを語る。

 真ん中は、ふくよかさを残しつつ しなやかなボディ。 はじめは ツンとしているが、しばらくすると静かながらも、知的に語り始める。 近寄れば、美しさに ハッ となる。

 最後のヴィンテージもまた、若さを保った美しさを秘める。 若さゆえのふくよかさはないが、本来持っているもうひとつの魅力が、顔を覗かせる。

 ん?
 何のコメントやろか?
 ワインやで。

 もうひとつの魅力とは、「ミネラル」 だ。
 彼の造るワイン全てに共通するミネラルだが、その感じ方はヴィンテージによって異なる。
 フルーツの持つ 「フレッシュさとふくよかさ」、そして 「ミネラルと複雑み」 はひとつのワインに同居していて、時間と共にフレッシュさが失われると、反比例するかのように、複雑みが表れ始める。

 これを体感できた僕は、幸せ者だ。

 カンティーナには、研究のため、そしてカンティーナの歴史として、古いヴィンテージのオルヴィエートをストックしている。 その数、なんと7000本!
 中には、1986年のオルヴィエートを4本だけ残してあるそうだが、これは既に出荷先は決まっている。

「出荷先は決まっているんだ。 ボクは飲めないけどね。 そう、開けるのはボクの葬式の時さ。 参列してくれたボクの友達のために寝かせているんだよ! ハッハッハ~ッ!」

 そう言って大いに笑うジョヴァンニさんは現在、59歳。
 年齢よりも若く見えた。
 オルヴィエートの伝道師として、これからも活躍するだろうね。


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ありがとう ジョヴァンニさん!




~ 業務用イタリアワインなら、エノテカビアンキ! 造り手ひとりひとりに、ドラマがある。 ~


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by enotecabianchi | 2016-06-10 21:39 | メーカーズディナー。 | Comments(0)