ピュアな味わいは、ご夫婦そのもの。
せっかく ヴェネツィア共和国 の話題が出たから、しばらくはここに留まろか。
ソアヴェ・クラッシコ “ロッコロ・デル・ドゥルロ” 2012 (レ・バッティステッレ)
数年前、ウチのセラーにご夫妻が来て下さった。
本当に真面目なご夫婦で、熱く、ソアヴェ・クラッシコ について話していたのを 今でも覚えている。
この夫婦は、ソアヴェ・クラッシコ しか造らない。
そして、ガルガーネガ しか栽培しない。 他のブドウをブレンドすることも可能なのに、彼らには必要ない。
また、ガルガーネガ の熟成には樽は要らない。
それらの考えから、
彼らの造る 3つのソアヴェ・クラッシコ は全てガルガーネガ100%、ステンレスでの熟成を経る。
違うのは、「テロワール」 のみだ。
この造り手のエンブレムは、ちょっとユニーク。
祖父の代から栽培農家として協同組合へブドウを売っていたが、2002年、自らボトリングすることを決意。
それでも二人は、「農家であることに変わりはない。」 と、創業当時からこのエンブレムを使っている。
この絵は、畑からカンティーナまで 収穫したブドウを運ぶ 道具。
そうそう。 肩に担いで、ブドウを左右の袋に入れる。
丘陵地帯でのこの作業は、決して楽ではないだろう。
今はどうしているのか知らないが、このラベルを纏うことで、常に 「農家」 であることを意識し、戒めているのだと思う。
そんな話をしながらテイスティングを終えて お二人との別れ際、試した3アイテムがどれも素晴らしかったから、
「全てのワインをウチで扱うことにしたよ。」
と伝えた。
そしたら、駅までの道すがら、嬉しすぎて泣いていたらしい (!)
ますます好きになったし、味わいから感じ取れる 「ピュアな果実味」 は、この二人に由来するのかと思ったくらい。
つくづく、「ワインは人が造るのだ」 と感じた。
そして、決して派手ではない、ともすれば埋もれてしまうかもしれないこれらのワインを、伝えていかないと、とも思ったね。
「売りやすいワインばっかり売ってちゃ、ダメなんだよ。」
ホントにそう思うよね。
~ 業務用イタリアワインなら、エノテカビアンキ。 造り手の声を、大切にするねん。~