お贅沢な講習会。
フランチェスコ来社の、続き~。
その1.
ワインセラーで講習会が開催され、自慢のネッビオーロ 3種類をテイスティング。
内容はネッビオーロに特化したものとなった。
フランチェスコから聞いたことを、列挙してみる。
長熟向きの良いネッビオーロができる条件は、
樹齢20年以上。
南西向きの丘陵そして、中腹よりも上。
上のクラスである、「スル」 と 「プリンティ」 はこの条件を満たしているネッビオーロを使用し、それ以外の畑からのものと、若い樹からのものは、エントリーラインの 「レグレット」 に使われる。
ロエーロは砂質土壌。バローロやバルバレスコが石灰質と粘土質であることを考えると、全く違う土壌といえる。 砂質のネッビオーロは、香りが高く果実味が豊か。タンニンはあるが、まろやかなもの。
白ブドウのアルネイス種には 「香り」 が特に重要で、アルネイスはロエーロの土地でのみ、その個性を発揮する。
レグレット(ランゲ・ネッビオーロ)
単一畑「スル」 と 「プリンティ」 にある若い樹と、それ以外の畑からのネッビオーロ。
同じ 「ランゲ・ネッビオーロ」 を名乗っていても、バローロ、バルバレスコのものとは異なり、こちらの方が香りが華やか。森のフルーツやラズベリーの香りが加わる。
より親しみやすい味わい。
スル(ロエーロ)
典型的なロエーロの土壌。つまり砂質が90%。
この土壌に「高い樹齢」 という要素が加わり、ワインは香りが高く、スパイシーな味わいとなる。
ネッビオーロを飲み慣れていない人や、苦手とする人にも受け入れられやすい。
プリンティ(ロエーロ・リゼルヴァ)
「スル」 とは300メートルしか離れていないにもかかわらず、その土壌は全く異なり、石灰と粘土が支配的で、若干の砂。ロエーロにありながら、バローロにも似た地質。リゼルヴァは、ノーマルよりも1年長く熟成される。
このことから、豊かな香りに加えタバコのようなニュアンスも。
味わいには複雑み、重厚さが加わる。
1997年がファースト・ヴィンテージなので、自分たちにもどのくらいの熟成能力があるのか、わからない。
「でも、良いヴィンテージのものなら30年はイケると思うよ。」
ヴィンテージについて
「まず伝えておきたいのは、<グレート・ヴィンテージ>というのは立場によって違う、ということ。
つまり、’01、’04、’06、’09などのタンニンが強い年で熟成が必要なヴィンテージは、造り手にとっては良い年だ。熟成に伴って昇華していくからね。でも消費者にしてみたらどうだい? たいていは、そんなに長く待てないよね。だから消費者にとってはグレートじゃないんだ。 消費者にとってグレートなのは、できた時から美味しいワインだ。つまり、’00、’03、’07、’10のようなヴィンテージだね。」
2010年
エレガントな年。
タンニンがソフトで香りが豊か。マイルド。
夏は暖かかった。バルベラにとっては、フルボディの年となった。
白に関しては、すぐに楽しめるタイプで、長熟向きではない。
2011年
2010年と比べると凝縮度の高い年で、ボディがしっかりしたもの。
タンニンが硬い。バルベラにとっては酸度が高く、アルコール度が低いワインになった。
白は酸がしっかりしているので、長期熟成にも耐えうるものとなる。
2012年
香りも味わいも、豊かな年。バランスが整った年で、スルもプリンティも、共に申し分のない年となった。
似た年では、2004年。 それくらい、巡り合えない優良年。
たっぷり一時間。勉強した。
熱く説明するフランチェスコを見る奥さま ルクレツィアの眼には、優しさが溢れていた。
愛されてるんだねぇ。 と感心した。
食事のレポートは、また明日~。
~ 業務用イタリアワインなら、エノテカビアンキ だねぇ。~