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エノテカビアンキのブログ

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イタリアワイン

ヴィンテージについて、思うこと。


 ヴィンテージ。 ワイン談義には欠かせないテーマですね。
 それだけワインには大事な要素のひとつですが、これだけ情報網が発達すれば怪しい情報がちらほら見受けられるのもまた然り。

 もうそろそろノヴェッロやヌーヴォの予約時期ですが、「世紀のヴィンテージ!」とか「10年に一度の優良年!!」といったコメント、

「ここ数年で何回目やろか?」

なんて思うのは僕だけでしょうか?

 ワイン好きなら誰でも、美味しいワインを飲みたいものですよね。 一般的に、良いヴィンテージには消費者は寛大ですが、悪いヴィンテージとなると、どうやら買うのを控える傾向にあるようです。

 あるインポーターの話ですが、毎年まとまった数が売れる いわゆる 「スーパートスカーナ」 が、2002年は 「全く」 と言っていいほど売れなかった、と言っていました。 2002年は確かに良くない年とされていますが、良くない年のワインの味わいを知らずに、どうして良いヴィンテージの良さが分かるのでしょうか? 必死に販売に務めていた彼らを傍目に、そう感じたものです。

 一般的に良くない年とされている2002年。暑すぎた年とされた2003年。

 あるキアンティ・クラッシコの造り手に言わせれば、

「悪いヴィンテージなんて存在しない。 あるのはその年の個性。 それだけだ」

 また、こないだのヤンチャなクラウスさんは、

 「ノヴァ・ドムスの2002年は特別な年。 ウチでは雨が少ない分湿気が多かった為にブドウに貴腐菌が付着した。また、フォン(地元で呼ばれるアルプスからの暖かい風)との相乗効果でブドウの水分は通常よりも15%減少した。15年に一度の素晴らしいヴィンテージだ」

 と言っています。
 2003年に関しては、フリウリの造り手 リス・ネリスのフェデリカさんと食事した際に、ソーヴィニョン“ピコル”2003年を飲みましたが、食事に良く合い、ヴィンテージを反映したネガティヴな味わいは少しも感じさせず、10年近く経った今もなお若々しさを保っていました。

 E社の佐々木さんは、

「良いヴィンテージは“自然の年”、良くないヴィンテージは“造り手の年”」

 と表現しましたが、リス・ネリスの人たちは、人の努力が試されるこの難しいヴィンテージを、よくぞここまで美しく仕上げられましたね、と感心しました。

 ヴィンテージチャートは、消費者にとって便利なツールです。でもそれを過信してしまうと、見逃してしまう感動があることも、知っておいた方が良いですね。

 われわれ消費者は、好きなヴィンテージ、好きな銘柄、好きな造り手を自由に選ぶことができます。
 そしてワインは、毎年造られます。 仕事柄、毎年買い続け飲み続けているワインはたくさんありますが、ひとつそういったワインがあると、造り手の苦悩や歓びを、ほんの少しだけ 共有することができますよ。

 それこそが、ワインの本当の味わい。 そう思いませんか?
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by enotecabianchi | 2012-07-06 20:28 | つぶやき。 | Comments(0)